日本車は没個性なんてウソ! 歴史に残る超個性的なクルマ5選 (2/2ページ)

ミニバンの先駆的モデルや衝撃的なエンジンを積んだセダンもある

3)日産プレーリー(1982年)

 ミニバンというジャンルを確立したのはアメリカだが、乗用車ベースのミニバンを最初に送り出し、普及させたのは日本の自動車メーカーだ。その先駆車が日産のプレーリーで、個性的なミニバンだった。デビューしたのは1982年夏である。

 開発したのは旧プリンス自動車工業のエンジニアだ。リーダーを務めたのは、のちにR32型スカイラインの開発を行う伊藤修令さんだ。旧プリンスの設計陣はFF車のチェリーやパルサーの開発に携わっているから経験が豊富だ。そこでFF化したスタンザFXとオースターJXのメカニズムを用いた3列シートのミニバンを設計している。

 ドアは前が一般的なヒンジドア、後席用はスライドドアだが、最大の特徴はセンターピラーレスのフルオープンとしたことだ。フルオープンのスライドドアだから、お年寄りでも無理なくアクセスでき、荷物も積みやすい。

 エクステリアは直線基調のボクシーなフォルムだ。このデザインは1.5BOXデザインの先駆けだった。フロアは低く、サードシート装備のJWはどの席でも快適に座れる。ラゲッジルームは広く、跳ね上げ式のテールゲートはバンパーの下から大きく開くから荷物を積みやすい。

 84年1月に回転対座シートを採用したエクストラJW-Gを追加し、9月には4WDモデルを設定している。フルオープン・スライドドアとミニバンの魅力を35年以上も前にアピールしたのが初代プレーリーだ。

4)ホンダCR-Xデルソル(1992年)

 スポーツカーの新しい形としてユーザーから好評を博しているのが、クーペ・カブリオレやリトラクタブル・ハードトップだ。これは電動メタルトップを採用したスポーツカーで、クーペの快適性とオープンカーの爽快感を1台で味わうことができる。

 その先駆けとなったのが、1992年2月に誕生したホンダのCR-Xデルソルだ。CR-Xは高性能なFFスポーツクーペとして若者を中心にブレイクした。その3代目がデルソルである。

 人々をアッと言わせたのは、画期的なトランストップだ。ルーフ部分をトランク内に収納すれば粋なオープンエアモータリングを楽しむことができる。手動タイプもあるが、スイッチ操作によって室内からルーフを開け閉めでき、オープン時はトランクに収納も可能な電動式のトランストップだ。2代目ソアラにも用意されていたが、量産モデルとしてはデルソルが初出しになる。

 デザインは強烈な個性を放っていたから販売は今一歩に終わった。だが、多くのクルマに影響を与えている。

 ちなみにエンジンは1.5リッターと1.6リッターの直列4気筒で、イメージリーダーのSiRは可変バルブタイミング&リフト機構のVTECを採用したB16A型DOHCだ。

5)マツダRX-8(2003年)

 21世紀は強烈な個性を放つクルマが少なくなった。その中で際立った個性的なのがRX-7の後継として2003年春に登場したマツダのRX-8だ。

 最大の特徴は、4ドアのスポーツカーだということである。しかも普通のヒンジドアではない。なんと観音開きドアなのだ。前のドアを開け、その後に後席用のドアを後ろ側に開く。乗り降りには戸惑うが、乗ってしまえばキャビンはそれなりに広く、快適だった。4ドアだが、シルエットも個性的だ。

 エンジンも個性のかたまりである。13B-MPSと呼ぶ自然吸気の2ローター・ロータリーエンジンをフロントミッドシップに搭載した。このエンジンはパワフルで、しかも9000回転までストレスなく回る。今見てもRX-8の強烈な個性はいささかも色あせていない。


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