明らかに健康に悪そう! いまだに地方で黒煙を上げる大型ディーゼル車が走っているワケ (1/2ページ)

首都圏エリアの規制でクリアできない車両は地方に流れがち

 現在、ディーゼルエンジンの未来は混とんとしている。フォルクスワーゲングループによる、いわゆる「ディーゼルゲート」事件により欧州でもディーゼルのシェアは落ちているという。一時期はクリーンディーゼルともてはやされたものの、もはや電動化にシフトするしかブランドイメージを保てないといった状況ともいえる。

 さて、クリーンディーゼルといえば日本は先行している市場であることは意外と知られていない。2000年頃、石原都政においてディーゼル(主に商用車)が吐き出す黒煙がやり玉に挙げられ、南関東の一都三県(東京・埼玉・千葉・神奈川)においてディーゼル規制が厳しくなった。そのためDPF(ディーゼルの排ガスに含まれる粒子状物質を捕まえるフィルター)の後付けが流行ったこともある。現在でも「九都県市あおぞらネットワーク」として古いディーゼル車が該当エリアを走れないよう規制を行なっている。

 その後、政府としてガソリンエンジン並みの厳しい排ガス規制『ポスト新長期規制』が実施された。正確には、平成22年排出ガス規制と呼ばれるこの規制の強制適用が始まったのは平成21年(2009年)のこと。平成23年(2011年)9月1日以降は継続生産車や輸入車においても、この規制をクリアしているディーゼル車しか販売できなくなった。なお、最新の大型ディーゼル車における規制は平成28年規制と呼ばれるものでWHTC及びWHSCモードで試験を受けるようになっているが、CO・HC・NOxの規制値自体はポスト新長期規制と同等だ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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