ドリキン土屋圭市と元F1タイヤ開発の浜島裕英さんがJAWAブースでアルミホイールの重要性を語る!【大阪オートメッセ2019】 (1/2ページ)

世界を戦ったドライバーとエンジニアがホイールについて語る!

 2月9日(土)より11日(月・祝)までインテックス大阪で開催中の「大阪オートメッセ2019」。6Bホールの中央には、日本自動車・用品・部品アフターマーケット振興会(NAPAC)でアルミホイールの品質基準を司るJAWA(ジャパンライトアロイホイールアソシエイション)がブースを構え、JWLやVIAといった品質基準をクリアした会員各社の高品質なアルミホイールを数多く展示している。

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 そのメインステージで、本誌おなじみの職人ドライバー・土屋圭市さんと、ブリヂストンでF1をはじめ各モータースポーツの活動やタイヤ開発を指揮した浜島裕英さんをコメンテーターとして招き、自動車研究家の山本シンヤさんを司会としたトークショーを開催。来場者が通路に溢れるほどの大盛況となった!オートメッセ

 タイヤとともにクルマの足もとを支えるホイールの重要性は、クルマ好きなら多くの人が知る所だろう。だがタイヤのように、つねにホイールの重さや剛性を特別に意識してクルマを走らせる人はほとんどいないはずだ。職人ドライバーの土屋さんでさえ「まずは格好でホイールを選ぶよね」と本音を隠さない。

 だが、浜島さんが披露したこのエピソードで、土屋さんの考えは一変したという。

「F1はホイールで鈴鹿のS字がコンマ3秒変わる」

 F1用ホイールは運動性能=タイムに直結するバネ下重量軽減のため極限まで軽く薄く作られる。だからその剛性も必要最小限だ。しかし、ホイールの剛性が低すぎると、タイヤが路面を押さえつける力が逃げてしまうため、「旋回時の挙動がのんびりしたものになる(浜島さん)」のだ。

「F1の世界でコンマ3秒といったら、予選なら10番手くらい違ってきますよね。タイヤの性能を存分に活かすには、ホイールがちゃんとしていないとダメだということですね」とわかりやすく補足する山本さん。すると土屋さんが「グループA時代、ニスモはいろんなメーカーのホイールをテストして、一番性能のいいものを選んでいたよ」という裏話を披露する。

 さらに「ホットバージョン誌の名物企画・群サイ(群馬サイクルスポーツセンター)テストでは、たまに海外製の安物を着けてくるショップがあるんだよな、格好だけで選んで。そうすると大抵ジャンピングスポットで歪むんだ。そうなったらロケはもう中止だからね」という撮影の舞台裏まで暴露する。浜島さんも、「大ジャンプが多いラリーではホイールに大きな衝撃が加わるので、そうしたことは珍しくない」と付け加え、会場に一瞬「ざわ……」という空気が漂った。オートメッセ

 だが、話はそこで終わらない。土屋さんは「その点国産のホイールはすごく強い。そういうときでも全然平気だもんな」と述懐する。山本さんが「日本製のホイールは何が違うんですか?」と聞くと、「軽さと剛性、材質だよね」と即答。浜島さんは「とくにアルミ合金の材質が違いますよね。本来必要ではない不純物の何がどう入ってくるかが、性能に大きく影響します」と、エンジニアならではの視点で教えてくれた。

 そして「そうした違いは、体感できるものなのでしょうか?」と、山本さんが素朴な疑問を投げかけると、土屋さんは「当たり前だよ(笑)! 若いころにはレーシングチームやホイールメーカーから何度もブラインドテストの洗礼を受けているんだから。でもそうやって、そのドライバーが信用できるかをテストするし、若いドライバーを鍛えているんだ」と、モータースポーツの世界ならではのエピソードも。

 そのうえで「ホイールはタイヤほど“魔物”ではないけれど、何かあったときに大きな違いが出てくるよね。言ってみれば保険だよ」と、膨大な実走経験に裏打ちされた、安全性の高いホイールを選ぶことの重要性を示唆していた。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
ホンダS2000(2003年式)
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ゲーム
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