コンディションは新車同様! あえて未使用車に手を出すべき人の条件とは (1/2ページ)

「新古車」から「登録済未使用車」に呼び名が変わった

 中古車を探していると「登録済未使用車」といった表記を見かけることがある。中古車なので登録(ナンバーをつけること、軽自動車の場合は届出)しているのは当然で、走行距離がおおむね20km未満という状況を表現する業界用語といえる。

 つまり、登録作業以外での走行はしていないということだ。かつては「新古車」と呼ばれることもあったが、新車でも中古車でもないという表現は紛らわしい(実態は中古車であるので)ということで、現在の呼び名になっている。

  

 さて、登録車では「登録済未使用車」、軽自動車では「届出済未使用車」となるため、ここでは「未使用車」という表記で統一して話を進めるが、未使用車はなぜ生まれるのだろうか? 建前でいえば、日本の新車販売というのは注文を受けてから生産するというフローになっている。

 つまり、買い手の決まっていないクルマは生産しないのが基本だ。とはいえ、実際には販売店が見込みで注文することがある。売れ筋のカラーや装備を備えたクルマを注文しておけば、実際のオーダーとマッチしたときに納車が早くできる。

 もっとも、実際には販売店に課せられたノルマを消化するために見込み注文しているケースが少なくないだろう。こうしたケースでは「足の速いクルマ(すぐに売れるという意味)」が求められるので、販売店の経験から売れそうな仕様で注文することが多い。そして、これらが一定期間内のうちに売れないとナンバーを付けて(登録・届出)、「未使用車」として中古市場に流れることになる。

 すぐに「未使用車」にして市場に流せばいいと思うかもしれないが、ナンバーをつけたことがないまっさらな新車として販売したほうが売り上げ的には有利。しばらくは注文とマッチングがとれるよう置いておいて、半年を過ぎたあたりから「未使用車」として流通しはじめる。

 そうそうに「未使用車」を流通させてしまうと値崩れが起こってしまい新車の値引きも大きくしないといけなくなるので、その対策としてもある程度寝かせてから流通させることが多い。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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