【試乗】メルセデス・ベンツ初のEV「EQC」はSクラスの重厚感とAMGのハンドリングをもつ! (2/3ページ)

まるでAMGモデルのような切れ味鋭いハンドリング

 試乗ルートは市街地を抜けて高速道路へ入る。そして郊外のカントリー路へと向かった。スッとアクセルペダルを踏み込むと静かでトルクフルな加速が味わえる。前後モーターのトルクは後輪が主導的で、タイヤのスリップを見ながら前輪にもトルクが発生する。アクセルペダルは奥まで踏み込と重くなって、パフォーマンスが切り替わるポイントを教えてくれる。電費と走りのどちらを優先するかの境界線のような仕掛けだ。

 乗り心地の重厚感はSクラスの派生モデルかのよう。なにせ床下には約650kgものバッテリーを積んでいるのだから、重心はスポーツカー並みに低くズッシリと安定している。それでいてハンドリングはAMG並みにスポーティ。とても車重が2.5tもあるとは感じさせない。ラゲッジスペースは500リットルと十分な容量を確保しているので、ファミリーカーとしても使える。

 約650Kgという重量をもつ80kWhのバッテリーを充電する方法は二通り。通常の電源から充電するタイプ、AC(交流=16アンペア)だと約11時間かかる。自宅で夜から朝まで充電できるならこの使い方がいいだろう。これならバッテリーの疲労も抑えることもできる。DC(直流)の急速充電の場合、条件(気温)が揃うと約40分で80%程度チャージ可能。電圧は400Vで300アンペア流れる。

 ノルウェーという国は豊富な水を使って国の95%を水力発電で補っている。EVに適した土壌とも言える。試乗途中に30分ほど充電スポットに立ち寄った。そこで出会ったEVのドライバーに話しを聞くと、「電気はタダみたいに安い。しかも、朝のラッシュ時に、EVならタクシーやバス専用レーンを走ることができる」という。そうした優遇策もEV普及を後押ししているのだ。


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