色もグレードも一緒の同一車種! それでも店舗によって買い取りや下取り査定額に差が出るワケ (2/2ページ)

市場が欲しがるタイミングを見図るのも手

 たとえばパジェロの場合、1年を通じた中古車小売価格の推移を見ると、春から夏にかけて少し下がり、夏から秋は上下動を繰り返し、秋から冬にかけて値上がりする傾向が見られる。スキーシーズンの秋から冬は需要が高まり、価格も上昇するわけだ。買取店では「SUVの需要が増える前には、在庫を揃えたいから、積極的に買い取る」という。従って季節変動のある車種は、タイミングを見計らって売却する手もある。

 以上のように同じクルマでも、買い取る業者によってニーズが異なり、売却額にも差が生じる。新車の購入と一緒に売却するときは、一般的には新車ディーラーに下取りさせるのがトクだが(下取り車があると、値引きを増やす代わりに買取額を高めるなど融通を利かせやすい)、それでも複数の買取店に査定させると良いだろう。予想外の好条件が提示される可能性もあるからだ。

「ええっ! そんなに高い金額で買ってくれるの? 俺のクルマって、意外に価値が高かったんだ。ならば車検を取って、もっと乗り続けようかなぁ」。愛車への愛情が深まり、さらに楽しいカーライフが待っているに違いない。

 逆に「ええっ! 買取額がそんなに安いの!? 俺の愛車を軽く見るんじゃねぇっ。可衰想だから、車検を取ってもっと乗り続けてやるぜ」。これもまた愛車への愛情が深まり、さらに楽しいカーライフが待っている。売っても、売らなくても、クルマには楽しいドラマがありますね。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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