取り締まり不可能? 非合法な白タクが増加の一途をたどる理由 (1/2ページ)

かつての営業スタイルに加えて、外国人向けの白タクも

 タクシー事業は、法律上「一般乗用旅客自動車運送事業」と定められていて、いろいろ厳しい規定がある。

 この法律に反し、二種免許を取らずに国土交通大臣の許可もなく、自家用車の白地のナンバープレートのクルマで送迎サービスを提供し、対価を得るのは「道路運送法」の違反行為。国土交通大臣の許可なくタクシー事業を行うと、「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」という罰則になっている(罰せられるのはドライバーだけで、乗客にはペナルティはない)。

 国土交通大臣の許可を得たタクシーは営業用の緑地のナンバーをつけているのに対し、上記の違法なタクシーは、白ナンバーの乗用車を使っているので「白タク」と呼ばれている。この白タクは、運転免許(一種)とクルマさえあれば、手っ取り早く稼げる副業としてかなり昔から存在し、深夜・終電近くになると、各地の駅前で白タクが目撃されていた。そうしたトラディショナルな白タクに加え、近年増えているのは、外国人観光客向けの「白タク」。

 羽田や成田、関空などの主要な国際空港を舞台に、年間3000万人を突破(2018年)した訪日外国人を相手に、中国系の白タクが急増中。

 これらの白タクは、事前にインターネットの「配車アプリ」を使って予約し、ネット上で支払いも完了。現場で現金でのやり取りは基本的に行わない。すでにかなり大きな規模になっていて、都内だけでも2000~3000人の登録ドライバーがいるらしい。

 非合法の白タクなので、サービスも悪くぼったくられる心配もあるが、これら「配車アプリ」を使った新しいタイプの白タクは、ドライバーごとにレビューがつくので、ドライバーは評価を下げないようにサービス精神は旺盛のようだ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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