【試乗】3000kmを走破! 速攻独占試乗に成功した日産GT-R「2020年モデル」の実力 (1/3ページ)

公式発表にはない細かな改良が施されている!

 2019年4月17日、日産自動車は「NISSAN GT-R」の2020年モデルを発表。従来からラインアップされている基準車の「GT-R」と走りに特化した「GT-R NISMO」に加え、生誕50周年を記念した「GT-R 50th Anniversary」の発売も同時にアナウンスされた。今回は6月にリリースされたばかりの「GT-R Premium edition」を長距離ドライブする機会に恵まれたので、どこよりも早くその第一印象をお届けしよう!

 2007年12月に発売された日産のR35型GT-Rは、特別編成された開発チームの手による「毎年進化」を合言葉に11年以上の年月をかけてその性能に磨きをかけ続けてきた。発売翌年から早くもブラッシュアップが図られ、毎年新しいモデルイヤー(以下、MY)がリリースされている。ちなみに、例年よりも早い時期に発表(従来は10月~11月)された最新のMY20は、最初の年次改良となったMY09から数えて10番目の改良モデルに当たる。今年で発売から12年目となるだけに、本来であれば12番目のMYとなるはずだが、それは、MY16とMY19の2モデルだけ「欠番」となっているためだ。

 じつを言うと、そこがまたミソでもある。MY16をお休みをした翌年、内外装のデザインにとどまらず、骨格のボディにまで手を入れたR35初のビッグマイナーチェンジ版・MY17が登場。

 2018年中にMY19の発表がなかったことから、2年分の進化を果たしたMY20の登場は事前から予測できるものでもあった。そして2019年4月17日、満を持してGT-R MY20が発表された。今回試乗したのは基準車となるGT-Rのなかでもっとも豪華指向となる「Premium edition」で、ボディカラーはMY20から新採用された「ワンガンブルー」という仕様である。

 6月初旬、まだ一般オーナーの手にMY20が納車されていないタイミングであったこともあり、青いMY20はどこへ行っても注目を浴びる。MY17で初採用されたアルティメイトシャイニーオレンジ(MY20にも設定)も相当目立つボディカラーだったが、鮮やかかつ深みのあるワンガンブルーは、発売から12年経っても色褪せないR35の存在感をさらに際立たせてくれる。今回の改良ではGT-R専用の3.8リッターV6ツインターボ「VR38DETT」のスペック(最高出力=570馬力/最大トルク=637N・m)や車両重量(Premium editionは1770kg)に変更はないものの、発進した瞬間から「軽さ」を感じる。

 そこに寄与していると思われるのが、今回からターボチャージャーに新採用された「アブレダブルシール」という技術。これは、コンプレッサー側のハウジング内壁とタービンのインペラー(羽根)の隙間を極限まで詰めることで過給の充填効率を高める手法だ。とくにターボが効き始める低回転域でのピックアップを向上させる効果があるという。ちなみに、こちらはGT-R NISMOのタービンにはすでに採用されていたもの。新しいMY20では、速さを突き詰めるNISMOとGT(グランドツアラー)色の濃い基準車が技術的に融合する格好になったとも言えるだろう。


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