モータースポーツ人気低迷なんてドコ吹く風! スーパーGTだけが来場者数を増やせるワケ (2/2ページ)

同じマシンが勝ち続けない工夫がレースを盛り上げる

 さらに、ウエイトハンディ制の採用により、選手権争いで独走するチームが出にくいというのも大きな魅力だ。上位に入賞するたびに次のレースでは積むウエイトが増えていくので、良い結果を残せば残すほど次のレースでは不利となり、重量対策を講じなくてはならない。特定の強豪チームの独走を許さず、常に接戦をもたらすように考えられているので、シーズン前半戦では低迷したチームが後半戦になって巻き返すことも多い。毎年最終戦まで選手権争いが続き、連覇するチームも出にくいルールとなっているため、他のどのレースよりも多くのチームに勝つチャンスがあるといえるのだ。

 また、レースアナウンサーのピエール北川さんによる実況中継も名物のひとつで、これも現場でしか味わえない大きな魅力のポイント。まず、実況そのものがマニアから初心者までわかりやすくて的確だし、各マシンやドライバーの個性や素性、近況などを知り尽くしていることにより、常にさまざまな耳寄り情報を伝えてくれるので絶対に聞き逃せないものになっている。たとえ予備知識なしで初めて観戦したとしても、ピエール北川さんの実況を聴いていれば、誰もがレースのことをしっかり把握しながら楽しめるはずだ。

 このように、純粋にレース自体が面白いことに加え、スーパーGTが開催されるサーキットではさまざまなエンタテイメントが用意されている点も人気の理由である。たとえば、サーキットを華やかにするレースクイーン。彼女たちもレースマシン並みに個性が多種多様で、幅広いファン層からの需要に応えている。レースクイーンもチームによってコンセプトは異なるし、同じチーム内でもタイプやキャラが異なる人選でユニットが構成されるため、熱心なファンの心を掴み続けているのだ。

 電動カートなどキッズ向けの参加型コンテンツの充実にも力を入れているし、各サーキットごとのご当地グルメや物販など、ブースエリアだけも1日過ごせるほど、各ブースの展示も年々凝ったものに進化している。

 国内最大規模のサーキットである富士スピードウェイでは、毎年春のG.W.や夏休みの真っ只中に開催されるため、首都圏方面への帰路の大渋滞がネックとなるが、そのネガを差し引いても足を運ぶ価値があると多くのファンから評価されているからこそ、年々観客動員数を増やし続けているのだろう。スーパーGTは、レース観戦未経験の人にも強くオススメできるカテゴリーであるのは間違いない。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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