目の付け所はいいのに時代がついてこなかった! 登場が早すぎて消えたSUV5選 (2/2ページ)

デザインにこだわるマツダ車の元祖!

3)マツダCX-7

 お次は2006年に発売されてから、コアなファンは獲得しつつも、ちょっと大きすぎた、価格が高すぎた、室内が狭すぎた、と散々な感じで2012年に日本からは消えてしまったマツダCX-7

 でも思い返せば、今のマツダのデザインへのこだわりはここから流れがスタートしているようにも感じます。ユーティリティを少し犠牲にしてでも、デザインの完成度を高め、走りにもこだわるというスタイルは、当時のマツダとしては異端児のように思えたものでした。

 今なら、デザインを突き詰めたSUVだってザラにあるし、受け入れられていますよね。やっぱり、ちょっと早すぎたのかな、と思わずにいられないモデルです。

4)トヨタ・キャミ

 そして続いては、近ごろ欧州メーカーから続々と登場しているコンパクトサイズの手頃なSUVとして、今なら受け入れられそうなトヨタ・キャミ。中身はダイハツが作っていたテリオスのOEM供給で、全長が約3.8m、全幅が約1.5mという街中でも扱いやすいサイズです。

 バックドアにスペアタイヤを背負った正統派SUVスタイルが災いしたのか、1999年から2006年1月までと一度もフルモデルチェンジすることなく短命に終わってしまい、後継としてカジュアルなデザインのラッシュに役目を譲ってしまいました。

でも、2018年に大ヒットとなったスズキ・ジムニーは正統派SUVスタイルですよね。それとは歴史も実績も違うとはいえ、キャミももう少しモダンにデザイン変更して、ボディサイズは維持したまま安全装備を充実させて復活したら、どうでしょう。ライバル不在のジムニーに追従できないものでしょうかね。

5)ホンダ・エレメント

 さて、最後はもっとも時代を先取りしすぎたと思われるオシャレSUVといえば、2002年から2011年まで販売されていたホンダ・エレメントです。

 スクエアなボディに樹脂パーツでデザインのアクセントをつけるところなんて、最近人気のシトロエン・C4カクタスやC3エアクロスなんかよりずっとエレメントの方が早い! SUVとミニバンの融合というコンセプトだって、もうすぐトヨタからデビューすると噂されているTJクルーザーより20年近く先取りしちゃってるわけですからね。観音開きのドアを開ければ、風が吹き抜けるほど開放的な室内空間で、サーフボードも積めるユーティリティは昨今のアウトドアブームにも対応できます。

 ただ当時は、この観音開きドアが使いにくいと不評だったらしいので、復活するならN-VANで採用したみたいなピラーレススライドドアがベストかもしれないですね。

 というわけで、温故知新とはよく言ったもので、かつてはちょっと時代が早すぎて消えてしまったものでも、今あらためて見るといろんな良さ、今あったらいいなと思えるアイディアがあるものです。状態のいい中古車があれば、そんなSUVと暮らしてみるのも楽しいのではないかと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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