走行中のクルマのタイヤが「逆回転」しているように見えるのはなぜ?

走行中のクルマのタイヤが「逆回転」しているように見えるのはなぜ?

我々の目は1秒間を200コマにカットしてモノを見ている!

「走行中のクルマのタイヤが逆回転しているように見えることがあるんだけど」といったとき、「そんなの錯覚だよ、錯覚」と答えたら怒るだろうか? でもこれは、いわゆる「気のせい」という意味の錯覚ではなく、生理学的な錯覚現象によるもの。

 我々人間は、速い動きをしているモノを見るとき、眼球を素早く動かし、その速い動きを追おうとする。これを「サッケード運動」といい、サッケードの最中は視覚信号処理を中断させることで、眼が動いても視覚のイメージがぶれることはなく安定させるメカニズムになっている。

走行中のクルマのタイヤが逆回転しているように見える画像はこちら

 つまり、我々の目の球も、映画のフィルムやアニメ、パラパラ漫画のように、1秒間を200コマぐらいにカットして、連続ではなく途切れ途切れにモノを見ているということ。

 そのため、ある程度の速さまでは、正しく動きを読み取ることができるが、スポークタイプのホイールや飛行機のプロペラ、扇風機の羽根などが、ある一定の速度を越えて回転すると、その回転する速さを目が追えなくなってズレが生じ、その結果、回転体が止まって見えたり、逆転しているように見えるという。

 ただし、眼球の動かし方などには個人差があるので、同じ速度で回転するタイヤを同じ位置から見ても、人によって逆転して見えたり、見えなかったりするのでややこしい。

走行中のクルマのタイヤが逆回転しているように見える画像はこちら

 ちなみに、肉眼ではなく、テレビやビデオ、映画などの動画を見ているときに、ヘリコプターのプロペラや、ホイールが逆回転しているように見えるのは、「ワゴンホイール効果」(ストロボ効果)という。

 テレビやビデオは1秒間に30コマ、映画は1秒間に24コマずつ静止画を撮影して、それを連続再生することで、動画化しているので、毎秒2回転している12本スポークのホイールを、毎秒24コマの映画用のカメラで撮影すると、スポークの位置がいつも同じ位置で映り、ホイールの回転が止まって見えるというわけ。

 そしてホイールの回転速度が、毎秒2回転よりちょっとだけ遅くなると、例えば毎秒1.8回転とかになると、ホイールが逆回転しているような動画になる。

画像ギャラリー