バカ売れN-BOXにタントは万人に最適な神軽自動車じゃない! スーパーハイトワゴンを買うべきでないケースとは (1/2ページ)

ファミリーのファーストカーとしての需要が増えているが……

 日本で一番売れているホンダN-BOXや、新型が登場したばかりのダイハツ・タント、3つのキャラクターが選べるスズキ・スペーシアと、今や軽自動車カテゴリーではスーパーハイトワゴンと呼ばれるモデルたちが大人気です。

 全高が1700mmを超える背の高いボディで、室内は小学校低学年の子供でもラクラク立てるほどの巨大空間。両側スライドドアで乗り降りしやすく、シートアレンジもできて自転車なども運べるので、1台で多彩な使い方ができちゃうところが人気の秘訣。税金などランニングコストも抑えられるので、最近はファミリーのファーストカーとしての需要もぐんぐん増えてきています。

 ただし、軽自動車が欲しい人ならどんな人でも、これらのスーパーハイトワゴンを選んでおけば間違いないかというと、じつはそうでもないのです。セダンタイプやハイトワゴンタイプの軽自動車と比べると、やはりスーパーハイトワゴンの車両価格は高額になるので、あとで「やっぱり買わなきゃよかった」とブルーにならないためにも、買うべきでないケースを挙げてみたいと思います。

1)クルマは1人~2人で乗ることがほとんど

 まずは、これはミニバンでも同じなのですが、クルマは1人~2人で乗ることがほとんどという人。後席に誰かを乗せるのは1年に数回くらいかな、という人がスーパーハイトワゴンを買ったら、多くの時間は後ろの空間がガラ~ンとして、ただ空気を運ぶだけのクルマになってしまいます。だとしたら、ホンダN-WGNやスズキ・ワゴンRといったヒンジドアタイプの軽自動車でも、後席スペースは広いし大抵の荷物も積めるので、年に数回くらいなら十分すぎるくらいのレベルです。

 よく使う前席も、スーパーハイトワゴンよりちょっと上質な素材を使っていたり、シートヒーターなどの快適装備が多かったりするので、結果的に普段から満足度の高いカーライフが手に入りますよ。

2)乗り降りに気を遣うことがない

 次に、小さな子供やお年寄りを乗せることがなく、自宅の駐車場も広々していて、とくに乗り降りに気を遣うことがない場合です。スーパーハイトワゴンの大きなウリが、両側スライドドアによる乗降性の良さ。狭いスペースでも大きな開口部が手に入るし、ステップが低いので足腰の弱い人や子どもでも安全に乗り降りできる、というのが利点なのですが、弱点もあります。

 それが、「ドアの開閉に時間がかかる」ということと、電動ではない場合に「操作が重い」ということ。ヒンジドアならバタンと一瞬で開け閉めできますが、スライドドアは電動なら5秒~10秒くらいはかかりますし、手動だと横方向に動かす力が必要なので、けっこう重く感じます。よく、せっかちな人にはスライドドアは向いてない、なんて言いますよね。なので、スライドドアの必要性を感じない人であれば、スーパーハイトワゴンの魅力の大半はムダだとも言えます。それなら、ハイトワゴンなどを選んたほうがいいですよね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

新着情報