女子ふたりがノートe-POWERで今シーズン最後の全日本ラリーに挑戦! ラストランは衝撃の結末に (2/2ページ)

連続コーナーで突っ込み過ぎて林にジャンプ!

 スタート後、バッテリーの充電量を気にしながら攻め続けた。しかしスタートから約5km地点で、右のややきつめコーナーから左のきついコーナーへ差し掛かったとき、突っ込み過ぎてタイヤが滑り、クルマはガードレールへとまっしぐら。クラッシュ前のグリップ感がなくなった瞬間は、まるで走馬灯のようにさまざまなシーンが……。左フロントが接触して、その勢いのままコースアウトしてしまったのだ。

 左フロント足まわりとフレームをひどく損傷させてしまったため、ラリー1日目SS1にてリタイヤを喫する、まさかの結末となった。ラリー本番2日目は、ギャラリーステージでラリーを観戦。突如MCの水谷成克さんとともにラリー解説をして会場の観客と盛り上がる一幕も。実力を発揮することができず無念のリタイヤとなったが、ラリーでは同じクラスの別のクルーが操るノートe-POWER NISMO Sが、全日本ラリーで初めて優勝を飾った。

 CUSCO Racingチームの監督を務めるキャロッセ社長の長瀬 努さんは、ノートe-POWER NISMO Sについて「CUSCO Racingでノートe-POWER NISMO Sの起用は今年が初めてでした。圧倒的なトルク感と加速力などを見れば戦闘能力は申し分ないです。今後モータースポーツにおいて、HV・EV化は避けて通れません。レースやラリーをする上でバッテリーの電量管理がキモですが、今後チームでデータを蓄積していけば可能性はさらに広がると思っています」とのこと。

 また、選手については「じつは参戦をスタートしてから、いざという時用にスペアカーも用意していました。初戦つま恋に比べるとクラッシュするほど走るようになったということで、成長を感じました」と監督としての温かいコメントも。

 ドライバーの水原は「ラリー女子での久しぶりのラリー。台風の影響で雨や砂利、葉っぱなどでとてもテクニカルな路面で、処理しきれずコースオフしてしまいました。最後のラリーは笑顔で終わりたかったのですが……。しかし、この企画を通してたくさんの経験をさせていただき、またひとつ人間としてもドライバーとしても成長できたと思います。1年間、ありがとうございました!」との感想。

 本ラリーではポイントを獲得することができなかったが、水原はJN6クラスの年間ランキング6番手をキープ。最終戦福島の主催者が開催キャンセル(9月に到来した台風15号によって土砂の流出が発生。路面補修を行っていたが、台風19号の影響で状況が悪化したため)が決定したため、水原は年間表彰の対象となった。

 ありがたいことに多くのサポートのなか企画がスタートし、最後まで波乱に満ち満ちたラリ女企画。今後の二人の活躍にもぜひ期待してほしい!


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