「取り回しにくい」「税金が高い」はホント? クルマの3ナンバー化を嘆く人がいる理由とは (2/2ページ)

「3ナンバー車=税金が高い」は思い込み!

 また、ごくまれに立体駐車場などでも5ナンバー限定というケースもある。これも5ナンバーサイズが主流だった時代の名残だが、そうした駐車場を日常的に利用するのであれば5ナンバーであることにこだわる意味はある。仮に数ミリの差であっても3ナンバーになると入庫できないからだ。

 もうひとつ、古くからのユーザーには「3ナンバー車は税金が高い」という思い込みがあることも3ナンバーへの拒絶反応につながっている面がある。ただし、3ナンバーというだけで自動車税が上がっていたのは昔々の話だ。たしかに、昭和の時代は排気量が小さくともボディ幅で3ナンバーとなるだけで自動車税が跳ね上がっていたし、自動車取得にかかる物品税も消費税導入までは3ナンバー車は23%(5ナンバー車は18.5%)となっていた。

 しかし、現在ではボディサイズは自動車税に影響しない。自動車税は基本的にエンジン排気量によって決まる。いまでは自動車取得税も廃止されている。仮に同じエンジンだとすれば、3ナンバーだからというだけで維持費が高くなるようなことはない。むしろ消費税の増税に合わせて小排気量ほど自動車税が軽減されているので、自動車税にこだわるならばボディサイズというよりは排気量を気にしたほうがいい。

 というわけで、日常的な使い勝手や維持費の面でいえば、5ナンバーであることのメリットはほとんどないといえる。では、5ナンバー車に意味はないのかといえば、そうとも限らない。たまたまグローバルモデルが5ナンバーに収まったというケースもあるだろうが、あえて5ナンバーこだわったクルマづくりというのは、開発時における日本市場に最適化しようするマインドを感じさせる。つまりボディサイズ以外にも日本のユーザーニーズを満たすクルマになっていると期待できるのだ。そうした目安としているのであれば、ユーザーが5ナンバーのクルマにこだわる意味はあるといえるだろう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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