【試乗】ルノー・メガーヌR.S.トロフィーがサーキットでみせた「超絶な速さ」と「驚異のしなやかさ」 (2/2ページ)

走りは武闘派だが公道での乗り味は犠牲になっていない

 かくして僕のアタックは、想像どおり刺激的なアクションに終始した。アンダーステアに閉口する瞬間は一度もなかった。むしろ逆に、いついかなる時でもステアリングを大胆に切り込めば、テールスライドを誘い出すことも可能だった。

 そもそも発進のその時から、バリバリと刺激的なエキゾーストノートを響かせていたし、減速のたびにアフターファイヤーのような破裂音が耳を刺激している。そんな刺激に身構えていたとは言え、走りは相当に武闘派である。これでなければニュルブルクリンクで最速タイムを記録することはできないのである。

 もっとも、誤解なきように付け加えるならば、乗り心地をかなぐり捨ててまでハード仕様にしたわけではない。脳天を刺激するような荒々しい乗り心地ではない。

 そう、それすらもニュルブルクリンク最速タイムの証しなのだ。路面の荒れたニュルブルクリンクでは、突起やうねりをしなやかにいなす性能も求められる。そうでなければ、マシンが飛び跳ねてしまい、トラクションが伝わらないからである。つまり、ニュル最速タイム記録モデルの乗り心地が悪いわけがないのである。

メガーヌR.S.トロフィ」はつまり、公道での最速マシンであることを意味する。


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