スマートタイヤコンセプトの第1弾! ダンロップのフラッグシップ低燃費タイヤ「エナセーブNEXTIII」の技術がスゴイ (2/2ページ)

環境を考えた高機能バイオマス材料をタイヤ製品に世界初採用!

 また、同社では商品のライフサイクル全体で環境への負荷を評価し、その低減を目指すための手法や考え方を検討する、ライフサイクルアセスメント(LCA)にも力を入れている。とくに原材料では環境性能の向上が一層求められており、石油外天然資源タイヤの開発などを進めてきた。今回は高機能バイオマス材料の第2弾として、木を構成する繊維をナノレベルまでほぐした、高強度のバイオマス素材セルロースナノファイバーをタイヤ製品に世界で初めて採用。タイヤの回転方向にセルロースナノファイバーを配列している。

 これにより、タイヤの周方向には硬く強い性質に、径方向には柔らかさを持たせた。また、タイヤラベリング制度において最高グレード「AAA-a」を達成している。高い環境性能と乗り心地、操縦安定性の両立を目指したタイヤに仕立てられている。

 そのほか住友ゴム工業では、タイヤの性能変化を重要視している。性能を調べたり予測したりといった技術を融合した「4D NANO DESIGN」と独自のAI解析技術を組み合わせ、目視では判断が困難なタイヤの内部の状態を解析し、性能の変化箇所や要因を検出することができるようになった。

 今後はAI技術を用いて開発工数の削減や新材料の創出につながる「高精度バーチャル性能予測」や、タイヤの使用中の変化も予測していく。タイヤを廃棄する時までユーザーの安全を確保することや、製造とリサイクル面でのLCAコンセプトの達成と、開発で得た知見を生かし、スマートタイヤコンセプトの実現を目指す。


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