【オイルにタイヤにブレーキパッド!】山のように出るクルマの消耗品の行方とは (2/2ページ)

じつに自動車パーツの95%がリサイクルされているメーカーも

4)バッテリー

 自動車用のバッテリーは、国内で年間2500万個ほど出回っている。バッテリーは3~5年ぐらいで寿命となり、年間2000万個の使用済みバッテリーが回収されている。回収されたバッテリーは、専門業者で解体・分別され、電極版の鉛を取出し、精錬業者で精錬され再生鉛としてバッテリー製造事業者等に販売され、リサイクルされている。

 国内の年間の鉛の使用量はおよそ29万トンで、その大半の約75%=22万トンがバッテリーに利用されており、リサイクルによって得られた再生鉛も年間約22万トンとなっている。

5)ブレーキパッド

 ブレーキパッドなんて減ったら捨てるしかないように思えるが、じつはこれもリサイクルが可能。ドラムブレーキのブレーキシューは、1960年代からリビルトシューが製品化されていたが、近年はディスクブレーキのブレーキパッドの再生も本格的にはじまっている。

 ブレーキメーカー大手の曙ブレーキでは、2006年から使用済みディスクブレーキパッドを回収してこれを再生し新品同様の品質・性能を持つ商品「エコパッド」を販売している。

6)エンジン

 エンジンは、メーカーに部品がある限り、オーバーホールしたり、リビルドエンジンとして再生することが可能。エンジンそのものとして再利用しなくても、エンジンは基本的に鉄とアルミ(一部は樹脂)でできているので、リサイクルしやすい。日産自動車によると、エンジンのリサイクル率はほぼ100%とのこと!

7)その他 クルマ全体

 自動車メーカーでは、限りある資源を有効に使うべく、リサイクルしやすいクルマの開発に力を入れていて、日産自動車の場合、2005年以降の新型車すべてにおいて、 95%の部品のリサイクルが可能になっている。いまのクルマは、「捨てるところはない」ようにできているといってもいいだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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