【90万人を対象とした調査により判明】高齢者がクルマで人身事故を起こす予兆は「ながらスマホ」運転にあった (2/2ページ)

過去に違反があると事故を起こしやすい

 その結果、検挙違反歴のあるドライバーは認知機能検査がどのような結果であっても、事故の当事者になる確率は高くなっていました。なかでも第二分類とされた高齢ドライバーは違反歴があると事故当事者率が高いという結果です。さらに違反が一回のドライバーより複数回の違反で検挙されているドライバーのほうが交通事故の当事者率が高くなっています。交通ルールを守らないドライバーは事故を起こしやすいというのは、高齢者に限らず当然と感じることでしょう。

 どのような違反で検挙されている高齢ドライバーが人身事故を起こしやすいのでしょうか。速度超過でしょうか、それとも駐車違反でしょうか。

 意外なことに「携帯電話の保持」違反で検挙された高齢ドライバーは事故を起こしやすいのだといいます。その理由についてまでは考察されていませんが、運転に対する緊張感がなくなっていることを「ながら運転」、「ながらスマホ」といった違反で検挙されることが示しているのかもしれません。

 認知機能検査で第二分類とされたドライバーにおいては、シートベルトの着用義務違反で検挙された群で、事故当事者率が高い傾向があるといいます。こちらも緊張感や安全意識の欠如を示しているといえそうです。

 まとめると、75歳を超えた高齢ドライバーにおいては、違反歴があると事故を起こしやすく、なかでも携帯電話の保持などの「ながら運転」とシートベルト非着用が、事故を起こしやすいドライバーに目立った違反というわけです。もし、身近な高齢ドライバーが、そうした違反をしてしまったという話があったら、安全意識の再確認を促したり、免許返納についての話し合いをするきっかけにしたいものです。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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