【時代に逆行しているようだがなぜ?】トヨタ車に「MT」が続々とラインアップされるワケ (2/2ページ)

さり気なくラインアップすることでイメージアップにもつながる

 おそらく読者諸兄のなかにも「サイズや価格が適度な魅力のあるMT車あれば、購入を考えたいが、もう諦めている」という方が少なくないと思う。このような状況のなかで、C-HRやカローラに6速MTが設定されたから注目を集めた。

 先ごろコンパクトSUVのロッキー&ライズが発売され、第46回東京モーターショー2019にも出展された。ダイハツの開発者によると「ロッキーはAT専用車だが、モーターショーの会場では、MTはないのかと何度も尋ねられた」という。今はSUVもスポーティ(あるいはアクティブ)なカテゴリーとして定着しており、クルマ好きの人達に多く購入されている。ロッキー&ライズは5ナンバーサイズに収まる数少ないSUVでもあるから関心は高く、販売も堅調に推移している。その結果「MTはないのか」という話にもなるのだろう。

 それならば魅力のひとつとして、無理のない範囲でMTを設定する手もあるだろう。クルマ好きのユーザーに歓迎され、MTを設定することにより、その車種の走りが良いこともアピールできる。「MTも選べるクルマなんだね」というイメージは、販売面でもプラスに作用するだろう。

 ただしMTの存在が前面に出過ぎると、体育会系的な汗臭いイメージも生まれてしまう。テニスのサークルに入っています、というような(例え話が古い?)付加価値のイメージでさり気なくMTの設定を表現するのが良いと思う。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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