【星の数ほど増えたリモコンキー!!!】巨大駐車場などで他人のクルマのドアが開いてしまうことはないのか? (2/2ページ)

スマートキーのIDは紛失や盗難にも対応できる

 そのため、スマートキーを紛失した、もしくは盗難にあったというケースであっても、車両側に登録してあるキーの識別IDを削除して、新しいスマートキーのIDを登録すれば、古いキーでドアを開けたり、エンジンをかけたりすることはできなくなる。物理キーでいうシリンダー交換のような作業が制御プログラムの書き換えによって可能になるのである。そうしたデータはメインECUに入っているため、基本的には専用端末を持つ正規ディーラーや整備工場で行なう作業となる。そうした作業をせず、特定の操作をすることで新しいキーを登録できる方法もあるにはあるが……

 つまり、いまどきのスマートキーであれば、キーごとに異なるIDを持っているため、新車購入時に付属してきたキーそれぞれが別のものとして登録されている。そのためキーごとにシートポジションを登録するようなワザも可能だ。ボルボなどはスマートキーのカタチを微妙に変えて、スマートキーが識別しやすいように工夫している。

 というわけで、リモコンキーやスマートキーで他人のクルマのドアロックを解除することはできない。しかし、ごくまれに反応してしまうという話もある。いくつかのケースが考えられるが、たとえば前述したようにキーを紛失した場合、なくしたキーの登録を解除しないまま、新しいスマートキーを新規登録していたりすると、オークションなどで古いキーが出回ったとして、そのキーとクルマが出会うと開けることが可能になる。もっとも、非常に低い確率でしか起き得ない話だ。

 こうした万が一を防ぐためにも、しっかりと正規のルートでスマートキーIDの管理をしておきたい。なにしろ、ドアロックが解除できるということはエンジン始動も可能なわけで、クルマごと盗難されることになってしまうからだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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