マツダは値引きをしないは単なる都市伝説! それでも販売台数で苦戦する背景にある「黒白」ディーラーの問題とは (2/2ページ)

黒い新感覚店舗のあり方を見直す必要がある

 その意味では、外観が黒いことから通称“黒ディーラー”とも呼ばれる新感覚店舗の存在も気になるところ。随時この黒ディーラーへ建て替えを進めているようだが、これをスカイアクティブテクノロジーと魂動デザインを採用したモデルのみの専売店と勘違いしているひとも少なくない。マツダの販売課題

 マツダはレクサスとは異なり、フレアシリーズやキャロル、スクラムシリーズといった軽自動車や、ファミリアバン、ボンゴ、ボンゴブローニィ、タイタンなどの商用車もラインアップしている。当然ながら黒ディーラーでも軽自動車や商用車を扱っている。新規出店しているわけではないので、黒ディーラーになっても商用車や軽自動車ユーザーも定期点検などで店舗を訪れることになるが、「疎外されている気がする」という軽自動車や商用車ユーザーもいると聞く。マツダの販売課題

 黒ディーラーに対して従来店舗(白ディーラー)も世の中には多数存在するので、よっぽど黒ディーラーはスカイアクティブ専売店舗としたほうがわかりやすいような気がするが、そうとはならないようだ。マツダの販売課題

 今後すべてのマツダディーラーが黒店舗化されていくようだが、現状では店舗間で提供されるサービスレベルにも結構差があると聞く。筆者の経験では、筆者がショールーム内に入っても、セールスマンを含むスタッフ全員が見向きもせずに(意図的に無視している?)事務作業などに没頭し、応対しようとしなかった。ようやくひとりの女性スタッフが面倒くさそうに応対してくれたといったことがあった。他メーカーでは、たとえ冷やかし客とはいえ、セールスマンの手がふさがっていれば、事務の女性や、時にはメカニックの男性が時間を置かずに声掛けしてくれる。マツダの販売課題

 ドイツ系高級ブランドに日本車で乗り付けても、すぐにセールスマンが駐車場まできて応対してくれる。そして値引き交渉にも柔軟に対応してくれる。“おもてなし”を強要するつもりはないが、冷やかし客と思っても、見て見ぬふりで放置プレイは論外であり、こういう経験は長い間脳裏に残るものでもある。

 良いクルマと新感覚のお洒落な店舗、ハードを充実させても、対面販売とその後のアフターサービスでの頻繁なおつきあいがあるのが新車販売。ソフト面での意識改革という意味では、変革は進んでいないというか、おざなりになっている印象も強く受ける。そして、これが2010年の販売台数を下まわる販売実績が続く大きな要因になっていると筆者は考える。マツダの販売課題

 よく比較されるスバルのディーラーでは、マツダのような体験をすることはいままでない。ショールームに入ればセールスマンがすぐに声掛けをしてくれるし、値引き交渉についてもとくに嫌がる素振りを見せない。何よりも、水平対向エンジンやアイサイトなど、自社モデルのおすすめポイントを自分の言葉で説明してくれるのはとても好感が持てる。マニアックに熱く語る姿についつい吸い込まれ、「これなら買ってもいいかな」と思ってしまうこともあった。マツダも“通”をうならせるクルマを扱っているのだが、スバルほど“熱い”商品説明を受けた経験はない。

 スバルの動きを見ていると、販売現場への目配せがきいており、売りやすい環境整備というものに積極的にも見える。

 頻繁に改良が行われることや、同じモデルなのに途中から車名が変わるなどするのも、購入を躊躇させる要因のひとつとされる。一定額以上の新車購入を検討する時には、次の売却時のリセールバリューも購入車種決定には重要である。その意味では頻繁な改良実施やモデル途中での車名変更は、リセールバリューをダウンさせるリスクが極めて高いといわざるをえない。

 ブランドステイタスをアップさせようとする取り組みを否定するつもりはない。ただ“良いクルマを作ればそれでよい”では、なかなかステイタスアップは難しい。販売現場の声を聞きながら、“売る体制”の整備の両立を販売現場と意識統一をはかって同時進行させることが重要なのだが、いまのマツダを見ていると、なかなかそれを強く感じることができない。販売現場と協調している印象がもっと伝われば、きっと販売台数にも大きく貢献してくるものと考えている。

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