【カタログ写真でも25度が多い!】クルマのエアコンの温度設定で「25度」が標準とされるワケ (2/2ページ)

快適性にも燃費にもオートの「25」がベスト!

 また、オートエアコンが狙う乗員の快適さというのは室温だけがターゲットではない。クルマによっては足もとと顔で出てくる空気の温度を変えて、さらなる快適さを狙っていることもある。冬場でいえば、足もとは暖かく、しかし顔には涼しい風を送るといった工夫がなされている。さらにシートヒーターとエアコンを連動させて制御しているクルマもある。こうした制御のメリットはオートエアコンに任せておかないと享受することはできない。そうした点をトータルに考えて、オートエアコンを稼働させて快適な室内環境を生み出すための目安が「25」という数字となっていると考えていい。

 また、エンジン車についてはエアコンを動かすと燃費に悪影響となることは知られているが、オートエアコンであれば室内環境が十分に快適になったと判断すると風量を絞ったりするなどしてエアコンの負荷を軽減させることができる。そのため燃費面でも有利だ。

 エコモードを選ぶとエアコンによる負荷を抑える制御を組み込んでいるメーカーも少なくない。その場合も、やはり標準的に快適とされている「25」に設定することがおすすめだ。

 家庭用エアコンでは夏と冬で設定温度を変えていることもあるだろうが、少なくともほとんどの日本車に関しては「25」という数字が、季節を問わずに乗員が快適に過ごせるであろう室温にする意味と捉えるのが正解だ。マニュアルエアコンの温度設定とはわけが違う。

 まとめると、オートエアコンを「オート」モードで使っている限りにおいては設定を「25」とするのが室内の快適さ、燃費につながる効率の両面において正解といえる。風量や吹き出し口の選択についても室内環境に合わせて自動的に制御されるので、よほど詳しい人でもない限り機械任せにしておくほうが快適な空間にできるだろう。運転中にエアコン操作に気を取られるのは安全運転の見地からもおすすめできない。やはりオートエアコンにおいては機械任せがベターといえる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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