最初はボロ車で十分は間違い! いまどきの初心者は電子デバイス充実車を選ぶべき理由 (1/2ページ)

電子デバイスの上手な使い方を学ぶことが必要

 世のなかがスパルタムードだったウン十年前には「若者は電子デバイスとは無縁のボロ車で運転を覚えるのがいい」と主張する先輩ドライバーもいましたが、いまはそんな時代ではありません。リスクを回避して運転が上手くなるほうがいいに決まっていますし、むしろ電子デバイスをどれだけ利用できるかがドライビングに求められる面もあったりします。

 というわけで、2020年に初心者がドライビングを学ぶのに役立つ電子デバイスには、どのようなものがあるのか。5つの機能をピックアップして、その理由を解説しましょう。

1)ABS

 スポーツドライビングの基本といえば限界領域でのブレーキングです。日常的にはフルブレーキを使うことはありませんが、危険回避時には必要になりますし、できれば身につけておきたいテクニックです。

 そもそもブレーキペダルを強い力で踏み込むという行為が難しいのですが、もし踏み切ることができたとしてもタイヤがロックしてしまうとコントロールが効かなくなるため、かつてはポンピングブレーキなどタイヤロックを避けつつ、コントロールするためのテクニックが必要でした。

 現在は違います。いまのクルマには基本的にABS(アンチロックブレーキシステム)が装着されています。ドライバーはロックコントロールを気にする必要はありませんから、ひたすら全力でブレーキペダルを踏むことができればいいのです。ポンピングブレーキといったテクニックのことは忘れて、きっちりと全力でペダルを踏むことを覚えたいものです。

2)ACC

 ブレーキングというのは、このように危機回避に使うだけではありません。むしろ日常的には、たとえば同乗者が気にならないくらいにスマートに減速・停止できることが重要だったりします。そうした「うまいブレーキング」を覚えるのに最適な先生となるのがACC(追従クルーズコントロール)機能がみせてくれるブレーキングです。

 停止まで対応しているACCであれば渋滞時などにスーッと止まってくれるでしょうが、その減速の仕方は、最新モデルのACCであれば、中上級ドライバーのブレーキに匹敵するほどうまく減速しています。その感覚を体で覚えて、一般道では同じようにブレーキをかけることができれば、初心者でもブレーキングに関してはすぐに上級者並みにレベルアップすることができるでしょう。

3)車線維持アシスト

 さて、ACCを利用するのは高速道路に限った話ですが、初心者にとって高速道路を安全に走るのは難しいといえます。速度が上がるので判断も素早く行わなければいけませんし、なによりちょっとした操作ミスが大きな挙動となって現れます。意外にまっすぐ走るだけでも難易度が高いのです。

 そこで役立てたいのが車線維持アシスト機能や車線逸脱警報機能です。前者は車線の中央を走るようにステアリングを自動的に調整してくれる機能、後者は車線を外れそうになったらワーニングを出してくれる機能ですが、いずれにしてもうまく走れないドライバーのお目付け役としてスキルアップの補助になってくれます。こうした機能に頼ったままでは運転がうまくならないかもしれませんが、あくまでコーチ的な機能として利用すれば安全に運転スキルを向上させることが期待できるのです。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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