チームスズキで全方位的な進化を実現! エンジニアが語る新型ハスラー開発秘話 (3/3ページ)

チームスズキが一丸となって作り上げたクルマです

 そんな渡邉さんの尽力もあってか、今回の開発について、竹中さん、高橋さんはチームスズキで一丸となってやり抜いたものと語る。

「たとえばルーフやボディサイド・バックドアはその象徴的な部分です。初代からデザインを大きく変え、よりスクエアな外観としたために、室内空間も開口も広くなりましたが、車体剛性は確保しにくくなります。また、パネルは平面部分が大きくなり、振動を抑制しにくくなります。これまで通りの対策では重量がかさんでしまうのです」

「そこで新型ハスラーでは、ルーフパネルとメンバーとの接合に軽自動車初となる高減衰マスチックシーラーの採用や、スズキ初の構造用接着剤、環状骨格構造の採用により車両性能を成立させました。これら新しい技術は、スズキのクルマはこうしたいという想いを商品に反映するために開発したものなんです」(竹中さん)

 こうした要素技術は、車種を特定しない汎用技術として先行研究されるのが一般的だ。だがハスラーでは、こういうクルマを作りたいなら、こういう技術が必要だからという、一般的なケースとは逆の順序で開発されている。この話を聞いたある自動車メーカーの開発者が、『自分の会社ではやりたくてもできない開発手法』と言うほどだ。

「おっしゃる通り、一般的には難しいやり方かもしれません。けれど今のスズキでは、商品企画のトップが先頭に立ってそういう開発をしていこうと頑張っているんです。こんな技術があるからこのクルマに採用してみようではなく、こんなクルマを作りたいからこの技術を生み出そう。それが今のスズキの目指しているものです」(高橋さん)

 そんな改革意識が実を結び、設計から生産、開発、実験など、あらゆる部署が一丸となって進められた新型ハスラーの開発。ここで得られた経験は、新型ハスラーのあとに続くニューモデルの開発にも大いに役立つに違いない。

 さまざまな困難を乗り越えてデビューを飾った新型ハスラー。コンパクトなボディには、スズキのエンジニアたちの熱い想いと、スズキの大きな未来がたっぷりと詰め込まれていると言えそうだ。


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