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ヤリス&フィット登場で戦国時代! レーシングドライバーが指南する国産コンパクトの選び方 (2/2ページ)

ヤリス&フィット登場で戦国時代! レーシングドライバーが指南する国産コンパクトの選び方

使い方に合わせた後席居住性で選ぶべし

 2019年末にデビューする予定だったホンダの新型フィット。電子制御パーキングブレーキ(EPB)の不具合などトラブルが重なったこともあり、年をまたいで2020年初旬にようやく発売されることになった。これでトヨタの新型ヤリス(従来のヴィッツがフルモデルチェンジで車名を世界共通ネームの「ヤリス」に統一)に日産ノート、マツダMAZDA2(従来ネーム「デミオ」)と各社のコンパクトモデルがでそろった。

 ほかにもトヨタにはハイブリッド(HV)専用車のアクア、スズキ・スイフトなどもあり、コンパクトカークラスはまさに戦国時代といえる状況にある。メインターゲットとなるユーザー層はビギナーや実用性重視のファミリー層などクルマに精通していない層のボリュームが大きく、購入するのは非常に難しい選択だと思えるだろう。

 そこで、これらの車種をわかりやすくカテゴライズしてみる。大きく分けると居住空間の大小で2グループに分けられる。後席や荷室空間が大きく設定されているのはノートとフィットだ。対して前席優先指向なのがヤリスとMAZDA2。アクアとスイフトはその中間的なサイズ感となっている。

 後席に大人が乗車する頻度が高く、後席居住性を重視するならフィットとノートが最適候補だ。一方、1人乗車あるいは2名で前席優先、後席は小学生以下の子どもしか乗せないというならヤリス、MAZDA2が候補になる。後席居住空間はカタログ値の車体全長やホイールベースなどの寸法を確認し比較すればおおよそ見当は付けられるが、実車の後席に乗り込んで確認すべきポイントでもある。

 新型フィットは旧モデルでは後席シートバックのリクライニング機構があったのを廃ししてしまい、広さは変わらないものの居住性は後退してしまった。その分、後席の質感を高め座り心地を向上させたり、折りたたみ機構で荷物の積載性を高めるなど実用性を向上させてカバーしているのだ。

 ノートも後席空間は大きく、優れたパッケージングで驚かされる。後席に乗ることを優先するならベストな選択といえる。

 ヤリスの後席は割り切り感が強い。「小さいクルマなのだから後席が狭いのは我慢してね」と言わんばかりで、中学生以上のお子さんがいるファミリーにはお薦めできない。ホイールベースは旧モデルとなったヴィッツから50mmほど拡大されているが、その分前席を後方に移動させ前面衝突時のクラシャブルゾーンを拡大し衝突安全性を高めたため、後席の足元広さにはほとんど反映されなかったのだ。

 同じく後席が狭めのMAZDA2はシートの質感を高めたり、デザイン性を向上させるなど手を尽くしたが寸法不足は如何ともしがたい。また、アクアやスイフトは後席に乗る気がしない。後席搭乗者に何の楽しみも与えてくれていないのが残念なところだ。

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