イマドキのクルマはつまらない……はウソ! 実用車なのに走りに没頭できる「美味しすぎる現行車」5選 (2/2ページ)

家族のミニバンや流行りのSUVでも運転を楽しめるモデルが存在!

3)トヨタRAV4

 流行りのSUVで走りが、運転が楽しいクルマなんて、あるはずがない……と思うのは大間違い。2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したトヨタRAV4は、まさにオン/オフ、天候、路面を問わない、絶大なる安心感に支えられた運転の楽しさに満ちている。

 とくに現状、全グレード中唯一RAV4のカッコ良さを最大限に引き出してくれるツートーンカラーが選べるガソリン車のアドベンチャーグレードは、世界初、新型RAV4のために開発された「ダイナミックトルクベクタリングコントロール」を採用。後輪左右のトルクを別々に制御(0~100)するトルクベクタリングコントロールと、4WDを必要としない場面で後輪への動力伝達を切り離し、燃費を向上させるディスコネクト機構を完備した。

 オンロードのカーブでは、後輪外側から押し出されるようなトルク配分で、痛快ともいえる曲がりやすさを実現。オフロードで飛ばしても、ステアリングを切った分だけ曲がってくれる走りやすさが見事。

 しかも、2リッターエンジンは、こう言ってはなんだが、トヨタの実用エンジンとしては異例の回転上昇フィールの気持ちよさがあり、類まれなる完成度の高さと運転する楽しさを備えたオールラウンダーといっていい。日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したのも当然といえる。

4)スバルXV

 同じくSUVのジャンルで、走りの楽しさとともに無類の上質感を味わうことができるのが、スバルXVだ。2リッターモデルなら欧州コンパクトカーに並ぶ走りの質感を持つインプレッサスポーツをベースに車高を上げ、シンメトリカルAWDとともにXモードを採用したクロスオーバーモデルだが、そのHVモデルの濃厚かつスムースなパワーフィールは絶品。実用スバル車でベストな完成度の持ち主であることは、スバル内部でも納得済である。

 立体駐車場への入庫が可能な全高にして、最低地上高200mm!!  を確保。アイサイトの先進安全運転支援技術に支えられ、ドライの市街地はもちろん、雨の日、悪路、雪道も安心かつ楽しく運転できる、日本の道にぴったりな現代の隠れた名車といっていい。

5)ホンダ・オデッセイアブソルート

 最後に紹介するのは、ファミリー臭の強いミニバンのなかで、とっておきにスポーティーな走りの世界を堪能させてくれる、ホンダのオデッセイアブソルートである。HVは比較的穏やかで上質な高級感あふれる走行性能となるのだが、専用チューンの2.4リッターVTECエンジン、専用ローダウンサスペンションを奢るガソリンアブソルートの走りは、まさにミニバンの皮を被ったスポーティカーと呼ぶのにふさわしいパフォーマンスのもち主。それこそ、ライバルメーカーのミニバン担当者に、あそこまでスポーティーなミニバンは、ウチでは作れない……といわせたほどだ。

 初期型のアブソルートの18インチタイヤ(オプション)装着車の乗り心地は、ミニバンにあるまじき硬さ、スポーツ度が、ファミリーユースでは難点だったが、今では熟成され、スポーティーカーに匹敵する、ミニバンとして圧倒的な操縦性、曲がりやすさ、姿勢変化の少なさに加え、上質な乗り心地を実現している。本当はスポーティーなクルマが欲しいのだが、家族のためにミニバンを買わざるを得ない……そんな人にうってつけの3列シートを備えた、運転が楽しいスポーツモデルである。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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