いまじゃ当たり前すぎて誇れない! 「TWINCAM」「DOHC」「TURBO」消えたクルマのエンブレム&ステッカー (1/2ページ)

愛車に搭載される技術はクルマ好きにとって誇りだった

 クルマ好きというのはメカ好きでもある。と同時に、自慢好きでもある。これはメーカーもユーザーも同じで、新しい技術、ライバルに差をつける機構を採用すると、それをステッカーやエンブレムにして車体に貼り周囲に誇示したくなるというのは、クルマ好きのサガといってもいいだろう。そうした“自慢”の象徴で、一世を風靡しながら消えていったエンブレムやステッカーを振り返ってみよう。

TWINCAM/TURBO

 国産車初のターボ車が登場したのは1979年。日産の430セドリック・グロリアのL20ET。日産はオイルショックのときに、ハコスカやケンメリGT-Rで有名なDOHCのS20エンジンを製造中止。以後L型などのSOHCエンジンが中心に。一方、トヨタには2リッターの18R-Gや1.6リッターの2T-Gなどツインカムエンジンを残していて、「スポーツカーの心臓は、ツインカム」というイメージ戦略を打ち出す。それに対し日産は、セド・グロ、スカイライン、フェアレディZにターボエンジンを搭載し対抗。

 1980年代初頭、「ターボVS DOHC」論戦というのが起こると同時に、ハイパワーの象徴として、「TWINCAM」「TURBO」のエンブレムを貼るのがトレンドに。やがて、トヨタがセリカ(TA63)などにDOHCターボ(3T-GTEU)を積み、日産もR30スカイラインにDOHCターボのFJ20ETを投入。エンブレムも「DOHC TURBO」「TWINCAM24」「24valve TWIN TURBO」「4VALVE DOHC RS-TURBO INTEERCOOLER」と、どんどん長文化に……。

 当時の少年漫画のライバルが、番長、大番長、影の番長、影の大番長……とインフレ化していくように、収拾がつかなくなってきたのと、DOHCもターボも普及しすぎて、当たり前になり、いつしか自然消滅していった。全盛期には、「TURBO」の反転(鏡像)ステッカーも流行って、面白かったのだが……。

GT AUTO spoiler/ACTIVE AERO

 R31スカイラインGTSシリーズのGTオートスポイラー(電動自動昇降式フロントリップスポイラー)や三菱GTOのアクティブエアロなど、可変空力システムも当時最先端のメカニズムで、ステッカーも貼ってあった。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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