「前・上・後」ブレーキキャリパーの位置がクルマによって異なる理由をメーカーに直撃したら答えは明快だった! (2/2ページ)

駆動方式によって装着位置を変えている!

「乗用車のキャリパーは片側単体で4〜5kgぐらいあります。対向ピストンだともっと重く、いずれにしてもかなりの重量物となります。FFの場合はフロントのトラクションを少しでも稼ぐために、前側に装着します。一方のFRでは、リヤにトラクションが十分にあるので、重量物は車体の真ん中にできるだけ寄せるというセオリーに沿って、後ろ側に装着します。もちろん例外はありますが、さらにスーパーカーなどの走りを重視するクルマでは、重心位置だけでなく重心高にもこだわり、できるだけ下に付けたりもします」。

 明解すぎるお答えで、一気にスッキリ。じつはもうひとつ気になっていた、スリット入りローターのスリットの向きがバラバラなことについても、続けて聞いてみることに。社外のスリット入りローターにするとき、どちら向きにすればいいのか困ってしまった人もいるのではないだろうか。

「まず、スリットを入れるとパッドがローターに吸い付く効果が増すので、制動力がアップするとされています。もちろん見た目の格好良さもあります。正回転では、制動力のアップに加えて、ブレーキダストの排出や放熱性が高まるとされています。逆回転では、スリットがパッド表面を削るので、制動力はさらにアップします。これをシェーピング効果とも言いますが、もちろんその分、パッドの寿命は短くなってしまいます」。

 と、こちらもそれぞれにきちんとした理由があった。キャリパーの位置やスリットの向きなどに限らず、どんなクルマがどんな作りになっているかなども気にして見てみると面白いかもしれない。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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