「ドリフト」はFFでも4WDでも可能! レーシングドライバーが語る本当の「ドリフト」とは (1/2ページ)

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「ドリフト」はFFでも4WDでも可能! レーシングドライバーが語る本当の「ドリフト」とは

昔はタイヤのグリップ性能が低くドリフトがもっとも速く走れた

 世界的に「ドリフト走行」が大ブームになっている。パワースライドさせ白煙を巻き上げながらカウンターステアを当てて走る様は迫力があり、確かにカッコいい。国内発のドリフト競技である「D1」などは、今では欧米でも開催されFIA公認の競技にまでなった。

 ドリフトとはそもそも英語で「drift」と表記され、英語辞書によれば「漂流」とか「吹き流される」などと訳されるワードだ。こうした語源から船が潮に流される場面や航空機が風で横に流される場面などで「ドリフトしている」と表されてきた。その言葉を自動車の動きに当てはめ「ドリフト走行」と使われるようになったわけだ。昔は「カウンターステア走行」とかクルマが横に流れるように走ることから「蟹走り」などと呼ばれる時代も長かった。

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ドリフト走行はFRだけのものなのか画像はこちら

 スリックタイヤなどのハイグリップタイヤが開発される以前、1970年代頃まではレーシングカーを速く走らせるためには「カウンターステア走法」が必須。当時富士スピードウェイの高速コーナーをカウンターステア走法で走る、日産スカイラインGT-Rの黒澤元治さんやセリカ2000GTの高橋晴邦さんがモータースポーツファンを魅了した。トヨタ7vs日産R380のバトルも、カウンターステアを駆使して競われていたのだ。

最小限のスライドでコーナーを立ち上がる黒沢元治氏ドライブのスカイライン画像はこちら

 だがスリックタイヤが開発され、タイヤグリップが格段に高まるとタイヤを滑らせること事態が御法度となっていく。詳しく解説すると、スリックタイヤ登場以前はタイヤの最大グリップ力は10度前後の滑り(スライド)角が必要だった。そのため、車体姿勢を進行方向に対し10度位の角度(スライドアングル)を付けて走ることが最速の走法とされたわけだ。

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 しかしハイグリップのスリックタイヤでは、最大グリップが2〜5度以下で発揮される。それを越えてスライドさせると大幅にグリップダウンする特性に進化したため、車体に5度以上のスライドアングルが付かないような走法(いわゆるグリップ走法)に改めなければならなくなったわけだ。1980年以降では車体がスライドしたらタイムロスに繋がり、いかにスライドさせずに速く走らせることができるかが、レーシングテクニックの基本となっていった。

 一方、ラリーやダートラ競技など路面のミューが低いシーンで競われる競技では、相変わらずカウンターステアを当てるスライド走法が最速。見た目にはグリップ走法で走るサーキットレースより、走行速度は低くても迫力があってカッコよく見える。レースでは否定されるスライド走法を積極的にドリフトさせて楽しむ「ドリフト走法」と呼び、走る姿の格好良さ、ドリフトテクニックが競えたら面白いだろう、という敬意も合って「D1」が生まれたのではないだろうか。

ドリフトしながら駆け抜けるWRX STIのラリーマシン画像はこちら

 当時はサッカーの「Jリーグ」や格闘技の「K-1」が大流行り。カーレースの最高峰の「F1」になぞらえて「D1」とネーミングされた事が功を奏し世界的に素早く広まったといえるだろう。

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