昔誰もが必死でイジったのは夢か幻か? クルマの「進化」ですっかり消えた「チューニング」6選 (2/2ページ)

車検に通らなくなってしまうチューニングも!

4)ブローオフバルブ(大気開放)

 ターボ車で、アクセルOFFにしたときに行き場のなくなる圧縮吸入空気を逃がすためのリリーフバルブ。大気開放タイプだとこれが作動したとき(アクセルOFF時)に、「プッシュ~」と豪快な音が出たので人気があったが、バルブから有害なブローバイガスを出すことになるので保安基準はNG。車検に通らなくなるので、大気開放タイプを付ける人は少数派となった。

5)スプリングカット、直巻、荒巻

 かつて、車高を下げるのにもっとも手っ取り早い方法として、純正スプリングをカットして短くしてしまうという方法があったが、もちろん昔は非合法の不法改造。1995年の車検制度の規制緩和によって保安基準適合のローダウンスプリングが安く出回るようになり、見かけなくなった。

 また、上記の規制緩和以前は、上下の内径が同じであるため汎用性のある「直巻」のスプリングは御法度だった。それゆえ合法のサスペンションチューンでは、純正採用と同じ形状の、内径が変わる「荒巻」スプリングを使用するしかなかった。だが「荒巻」は車種専用設計のようなものであるため、直巻に比べてコストが高く、違うバネレートを用意するには実質オーダーメードのようになり大変だったため、セッティングにも苦労した。

 今は直巻スプリングの使用が解禁になったので、車高調キットのスプリングはほとんど直巻で、バネレートも選びやすい。

6)ROMチューン

 コンピュータチューンのひとつ。かつてはコンピュータのプログラムデータがROMに書き込まれていたので、このデータを書き換えたROMに交換するのが主流だったが、今のクルマはOBD(オン・ボード・ダイアグノーシス=自己診断機器接続ポート)から書き換え可能なフラッシュロムを使ったクルマが一般的なので、ECU(エンジン・コントロール・ユニット)チューン、もしくはECM(エンジン・コントロール・モジュール)チューンと呼ぶことが多い。

 呼び方とツールが変わっただけで、コンピュータチューンの重要度は年々増してきている。

7)1.5J・4.5A-G

 1.5Jというのは2500ccだったトヨタの1JZエンジンに、3000ccの2JZエンジンの腰下をブロックごと流用し、3リッター化したエンジンのこと。

 4.5A-Gは、トヨタのAE86などに搭載されていた4A-Gエンジンをボアアップして、排気量をアップさせたエンジンとそのチューニングのこと。

 ベースエンジンが古くなったこともあり、最近ではこうした呼び名もあまり聞かなくなってしまった。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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