登場が早すぎた? 見る目がなかった? 消えてから「偉大さ」が評価された「ゴッホ的」モデル5台 (2/2ページ)

- 名前:
- 近藤暁史
- 肩書き:
- -
- 現在の愛車:
- フィアット500(ヌウォーバ)/フィアット・プント/その他、バイク6台
- 趣味:
- レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
- 好きな有名人:
- 遠藤ミチロウ、岡江久美子
スズキの超マイクロ軽がツイン。ふたり乗りに割り切って、ラゲッジも最小限だった。IQ同様、シティコミューターとして今見ると非常に斬新だ。しかもハイブリッドもあったことに驚かされる。ちなみにハイブリッドは300台しか売れなかった。こちらも登場が早すぎた。
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レジェンド自体は1代限りではないが、4代目のみに採用されていたのがSH-AWDで、3つのモーターを使って4輪のトルク配分を行なうというホンダらしいもの。SHはスーパーハンドリングの略で、当時試乗すると走りに違和感はないし、メーター内のモニターを見ると、激しく作動していることが見て取れたのも面白かった。
コストがかかりすぎたのか日本では姿を消してしまったが、2代目NSXで見事復活。ちなみにリーマンショック時に1度、NSXの復活が頓挫しているが、このときもSH-AWDを採用する計画があったとのこと。この流れで、2代目が採用したことになる。リーマンショック時には、まさか再度復活するとは思っていなかったようで、技術者も包み隠さず「レジェンドのやつ、採用するはずだったんですよね」と教えてくれたのを今でも覚えている。
最後に個々のクルマではなく、登場が早すぎた技術を紹介しよう。まずは4WS。ご存じのとおり、1980年代の日本らしい技術だが、海外では4輪全部がステアするのは変だと言われることがあった。サスペンションなどの技術進化もあって、その後、日本車でも姿を消すが、ここに来て、安定性確保のためにロングホイールベース化したことによるハンドリングの鈍化に対応するため、輸入車勢での採用が目立つようになってきた。
そしてもうひとつが、MTベースのAT。つまり2ペダルのMTというもので、欧州車勢での採用は多く、日本車ではスズキのASGがある。この先駆けとなったのがいすゞのNAVI5で、アスカなどに積まれたが、早すぎたのと制御が不完全なため、結局、消えてしまった。いすゞ以外で目が出た点にも注目だ。