「超メジャー車」なのに「超激レア」!? クルマ通でも「名前が出てこない」3車種以上のOEM車10組 (2/2ページ)

■軽を含む商用車

ダイハツ・ハイゼットトラック/トヨタ・ピクシストラック/スバル・サンバートラック

 軽トラックのハイゼットトラックはスバルの軽自社生産撤退とトヨタの軽販売開始により、スバルとダイハツでも販売される。三兄弟における最大の違いは軽トラックにおいて意外な人気になっているシート後方のキャビン付がピクシストラックには設定されない点だ。

ダイハツ・ハイゼットカーゴ/トヨタ・ピクシスバン/スバル・サンバーバン

 軽1BOXバンのハイゼットカーゴもハイゼットトラックと同様にトヨタとスバルでも販売される。

 三兄弟における最大の違いはリヤシート後方が屋根のない荷台となっており、漁業をされている人などに便利なデッキバンがピクシスバンには設定されない点だ。

  

スズキ・キャリイ&エブリイ/日産NT100クリッパー&NV100クリッパー/マツダスクラムトラック&バン/三菱ミニキャブトラック&ミニキャブバン

 スズキの軽トラックのキャリイと軽1BOXバンのエブリイもエブリイワゴン同様に四社で販売され、軽商用車業界で最大勢力をもつ。それぞれの四兄弟の大きな違いは、キャリイ四兄弟はリヤシート後方のキャビン付を設定するのはキャリイだけ、エブリイ四兄弟ではスクラムバンだけターボ車を設定しないことだ。

ダイハツ・グランマックスカーゴ&トラック/トヨタ・タウンエースバン&トラック/マツダ・ボンゴバン&トラック

 トヨタが1BOXバンのタウンエース&ライトエースを現行型にフルモデルチェンジする際、自社開発ではなくダイハツがインドネシアで生産していたグランマックスのOEMとすることを選んだのが、この三兄弟のはじまりだ。ライトエースは最近トヨタの原則全ディーラー全車種扱いによりタウンエースに統合されたが、6月にグランマックスが登場し、マツダが今年同クラスのボンゴの自社生産を終了したのに伴い7月からグランマックスのOEMに移行し、この三兄弟がスタートした。

■小型トラック業界

・いすゞエルフ/日産アトラスディーゼル(最大積載量1.55トン)/マツダ・タイタン(同1.5トン以上)

・三菱ふそうキャンター/日産NT450アトラス(同2トン以上)/UDトラックスカゼット

 小型トラック業界はガソリンエンジンを搭載し、最大積載量1.5トンまでとなる日産製のアトラスガソリンがいすゞにエルフ100としてOEM供給されており、なかなか複雑だ。また日産アトラスはエンジンと最大積載量によって自社製、いすゞ製、三菱ふそう製の3つがあるが、いすゞ製と三菱ふそう製はどちらかに統一してもいいようにも感じる。

 なおボルボのトラック部門の傘下だったUDトラックスは昨年12月にボルボのトラック部門がいすゞと資本提携を結んだ。そのためUDトラックスは今後日本ではいすゞとの関係を深めていくため、カゼットはいずれエルフのOEMとなり、キャンター、NT450アトラス、カゼットの三兄弟はなくなり、エルフは四兄弟を形成することになるだろう。

■番外編

スズキ6代目アルト/マツダ5代目キャロル/日産ピノ

 平成初期にマツダが軽乗用車業界に復帰し自社生産していた頃キャロルはアルトベースで、1998年登場の4代目以降はアルトのOEMとなっており、その関係は今も続いている。アルトが2004年登場の6代目モデルだったときにはキャロルに加え、当時スズキはMRワゴンをモコの車名で日産にOEM供給していたのもあり、ピノの車名でのアルトのOEM供給も始まった。ピノは一代限りとなったが、ピノが三社、三兄弟以上のOEM車の先駆けだったのもかもしれない。


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