三菱エクリプスクロスPHEVは衝撃のコーナリング! 後席装備も充実で「買い」のSUVが誕生【試乗】 (1/2ページ)

ランエボ譲りのS-AWCなど走りも本格的!

 三菱自動車がアウトランダーに続き、PHEV(プラグインハイブリッド)の第二弾として市場に投入するのはエクリプス・クロスPHEVだった。アウトランダーPHEVで築き上げた技術と実績をそのままエクリプス・クロスに移植し仕上げている。

 三菱のPHEVシステムの特徴は前後アクスルに駆動用モーターを個別に備える2モーターで、4輪駆動としていることだ。フルラインアップ4WDを果たしていた三菱自ならではの発想といえた。

 エンジンは主に発電用のジェネレーターを回すために稼働させる、いわゆるシリーズ方式。大容量のバッテリーをシャシーフロア下にレイアウトし、満充電なら60km前後の距離を、電気自動車として一度もエンジンを始動させることなく走行させることができる。

 前後のアクスルが機械的に連結されていないので駆動力配分が自在に行えるという特性を活かしS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)システムを仕組んでいる。S-AWCはランサー・エボリューションXで採用されていた4輪の車両運動特性統合制御システムであり、駆動力だけでなく減速時にも制動力を個別制御して車両運動特性を操っていた。PHEVにもその制御思想が受け継がれ、機械式デフに代わりブレーキ力を利用したブレーキAYC(アクティブヨーレートシステム)を採用するなど進化を示してきている。

 今回、エクリプス・クロスPHEVにもそうした技術はフルに引継がれ、さらにブラシュアップされて盛り込まれているという。

 アウトランダーPHEVとサスペンションを含めたシャシーを共用しホイールベースやトレッドはアウトランダーPHEVと同じだ。PHEVを搭載するにあたり前後オーバーハングで通常のエクリプス・クロスより140mm長くなった。

 このためリヤのハッチゲートが新造され、従来ツイングラスのダブルウインドウ方式だったものが一枚ガラスのシングルウインドウに変更されている。これだけでも十分にイメージが代わり、進化モデルに相応しい外観となった。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
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海外巡り
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クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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