みんな「50km」程度! プラグインハイブリッド車のEV走行距離がどれも「ほぼ同じ」なワケ (1/2ページ)

1日の平均走行距離が約40kmという結果のもと算出

 プラグインハイブリッド車(PHEV)のEV走行(モーターのみでの走行)が、各車とも50km前後が多いのは、世界的に一日のクルマの移動距離が約40kmという調査結果があるためだ。

 PHEVは、搭載するリチウムイオンバッテリーにEVと同様にあらかじめ充電しておけば、モーターだけで走行できるると同時に、充電した電気を使い果たしたあとは、エンジンとモーターを使ってハイブリッド車として走り続けられるクルマだ。

 したがってEV走行能力が50kmあれば、日常的なクルマの利用はEV走行だけで済ませられる可能性が高くなる。とくに、都会など人口密度の高い地域では、多くの人がEV走行することにより、排ガスゼロによって大気も改善される。EV走行は、気候変動に影響をおよぼす二酸化炭素(CO2)の排出を無くすだけでなく、排ガスに含まれる有害物質の排出もなくせるので、一石二鳥の効果がある。

 一方、クルマは日々の利用だけでなく遠出もすることに期待する消費者も多いため、EV走行を終えたあとはハイブリッド走行ができれば、あとは充電の心配なく走れ、燃料が切れたら給油すればさらに距離を延ばすことができ、使う上で不安が少ない。またハイブリッド走行であれば、エンジン車に比べ燃費も改善され、CO2排出量を抑えられるとともに、燃料代も安上がりになる。これも一石二鳥の効果だ。

 販売価格についても、原価がまだ高いとされるリチウムイオンバッテリーの搭載量を少なくできれば、車両価格の上げ幅も小さくできる。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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