最近のクルマに増えている「リヤフェンダーの突起物」の正体とは?

「リヤアーチフィン」はエアロパーツのひとつ!

 最近見かけるリヤフェンダーのフィン状の突起物? それは、ベンツやBMW、ルノーなどの欧州車や、国産車では86/BRZなどに装着されている「リヤアーチフィン」のことだろう。

 この「リヤアーチフィン」は、エアロパーツのひとつで、その効果については、スバルの資料に次のように書かれている。

「タイヤ表面で乱された気流と、ボディ側面を流れるキレイな気流を分断。リヤタイヤ廻りの乱流を制御することで、リヤフェンダー後方の圧力変動を抑制して、挙動の乱れを低減しています」

 リヤアーチフィンを取り付けると、ボディ側面を流れてきた気流は、アーチフィンの上端を通ってテールランプの方に流れ、タイヤまわりの風はアーチフィンの下端を通り、リヤバンパーに向かって流れるので、この二つの気流は合流しないようになる。

 このリヤアーチフィンがないと、二つの気流はタイヤハウスの後方で合流し、乱流が起きる。この乱流が車体を揺らす元になるのだが、リヤアーチフィンを取り付けることで、その力を抑制しスタビリティを向上させる。

 スバルによると、「これにより、低中速走行時の車線変更や高速走行時のコーナリングで、コントロール性の高いハンドリング性能を実現しました」とのこと。

 リヤアーチフィンを装着したことによるCd(空気抵抗係数)やダウンフォースなどの効果について、具体的な数字まではわからない。しかし、リヤのホイールアーチ付近の空力処理の重要性は以前から指摘されていて、リヤのホイールを大きく覆う「スパッツ」を装着すると、ホイールハウスの圧力を下がり、ダウンフォースが大きくなることは風洞実験などでも証明されている。

 小さなパーツでも効果があるとなれば、欧州車だけでなく、国産車でもこれから採用されるクルマが増えるかもしれない(参考までに、スバル純正のリヤアーチフィンの部品代は、左右合わせて1500円程度)。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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