「小柄女子」には男性の想像もつかない苦労があった! クルマで「難儀」すること8つと対処法 (2/2ページ)

クルマの操作系は試乗して体格に合うものを選ぶ必要がある

4)バックミラーの調整が面倒

 次に、天井の高い室内が魅力のスーパーハイトワゴン軽などが人気ですが、小柄な人だと運転席に座ったままバックミラー(ルームミラー)に手が届かず、調整が面倒というのも密かな苦労です。これも複数人で1台を共用する際には、自分が乗るたびにいちいち調整しなければならないので、大変なんですよね。

 対策としては、シートベルトを締める前にバックミラーを確認して調整することのほか、最近はデジタルルームミラーが採用されている車種も増えていますので、それだとカメラが後方を映した画像が表示されるので、どんな体型の人でもミラーの向きを調整する必要がありません。後席に大柄の人が座っていたり、荷物が満載でも後方がクリアに見えるのも利点ですね。

5)ハンドルを握ったままウインカーを操作しにくい

 続いては、小柄な人は手のひらも小さいと思いますが、近年のクルマはハンドルとウインカーの距離が遠い傾向にあり、運転中にハンドルを握ったまま、指先でウインカーレバーを操作するのが難しくなっています。これも、いちいち手をハンドルから離してウインカーレバーに触れなければならないので、何度も繰り返すとストレスになりがちですね。

 こればっかりは今のところ、後からできる対策は見つかりません。クルマを購入する際に、運転席に座ってハンドルを握り、ウインカーレバーが操作しやすいかどうか、チェックするようにしたいですね。

6)フロアにかかとをつけたままブレーキが踏めない

 次に、これは多くの男性が驚くべき事実なのですが、小柄な女性はフロアにかかとをつけた状態で、ブレーキペダルを踏めないことが多々あります。視界を確保しようとシートをいちばん高く上げてしまうと、今度は足が届かなくなってしまうのです。かろうじてかかとがフロアについたとしても、ブレーキペダルを目一杯に奥まで踏み込むためには身体全体を前にずらす必要があるなど、やはり男性には信じられない苦労があります。

 対策としては、やはり座面を高く上げすぎないこと。視界の確保は大切ですが、いざという時に緊急ブレーキが踏めないのはもっと危険です。クルマによって、運転席も視界もさまざまに違いますので、必ず試乗して視界とペダル操作のベストな位置が取れるクルマを選ぶようにしたいですね。

7)車幅感覚がつかみにくい

 そして、視界の確保という点では「ボンネットが見えない、車幅感覚がつかみにくい」というのも小柄な女性の悩みです。これができないと、今イチ縦列駐車や狭い道でのすれ違いなどが、うまくできなくて不安ですよね。

 先ほどのペダル操作が確実にできるかどうか、との兼ね合いもあるのですが、よくハンドルをいちばん高い位置にしたままで、視界が妨げられている場合もありますので、ハンドルの位置調整ができるかどうかをチェックしてみてください。チルト&テレスコピックという調整機能があれば、ハンドルを下げることでボンネットが見えるようになるかもしれません。

8)バックゲートに手が届かない

 さて最後は、背の高いクルマでありがちなのが、バックゲートに手が届かず閉めにくいという苦労です。ジャンプして閉めたりしている小柄な女性を見かけることもありますね。そこまでいかなくても、手を目一杯に伸ばすので、洋服がまくれて肌が見えてしまったり、何かと気を使うものなのです。

 最近は、コンパクトクラスでもオプションでパワーゲートが付けられる車種や、手を使わずに足の動作だけでバックゲートを開閉できるクルマも増えていますので、ぜひそうした機能を活用してくださいね。また、純正アクセサリーでもバックゲートのグリップなどに取り付ける、吊り革のようなストラップもあります。価格も1000円くらいからと手ごろなので、小柄女子さんは付けない手はないですね。

 というわけで、クルマに乗る際に小柄な女性が密かに苦労していることの数々。きっと「えっ、そんなことも?」と驚かれた男性も多いのではないでしょうか。もし、周囲に小柄な女性がいて、運転が今ひとつ上手じゃない場合には、そうした体型による苦労のせいかもしれません。ぜひ気遣っていただいて、対策をアドバイスしてあげると喜ばれるのではと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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