日本の車検は「厳しすぎ」! 同じクルマでもなぜ海外との差が生まれるのか? (2/2ページ)

車検の「ゆるい」国は自己責任を重んじている

 たとえば、アメリカだ。車両検査は、ステート・インスペクション(州検査)であり、州によって各種法律の差があり、ステート・インスペクションにも若干の差がある。庶民が利用するのは、廃業したガソリンスタンド跡地に設置された民間の検査場が多い。検査場といっても、排ガス検査に対する厳格な機器があるわけでもない。空いていれば、所要時間は30分もかからず、費用も数千円程度で済む。実際、筆者はこれまで複数の所有車を複数の州にてステート・インスペクションを体験してきたが、日本と比べてかなり甘いという印象を持っている。

 そのたびに頭に思い浮かべるのは、「自己責任」という言葉だ。

 これは車検に限らず、アメリカや他の国では、日本に比べて各種の検査について、単純に厳格化するのではなく、使用者の自己責任を重んじた”解釈の幅”がある。こうした社会背景の差が、車検の差に反映されているように思える。

 一方で、近い将来を考えると、クルマの電子化、または自動運転化などが進むことで、サイバーセキュリティ対策も含めた車検の在り方が変わり、国による検査の差がなくなっていくことも予想される。


桃田健史 MOMOTA KENJI

-

愛車
トヨタ・ハイエースキャンパーアルトピア―ノ等
趣味
動物たちとのふれあい
好きな有名人
聖徳太子(多くの人の声を同時にしっかり聞くという伝説があるので)

新着情報