運転中の「心の乱れ」は事故の危険大! ありがちな7つのシチュエーションと平静を取り戻す対策 (2/2ページ)

感情の起伏に対しては自分なりの解決策を見出しておくと良い

4)周囲のクルマにイライラしているとき

 次に、周囲のクルマにイラついているとき。これは近年注目されている「あおり運転」の原因としても多いもので、結果として事故を起こすリスクが高まってしまいます。パナソニックオートモーティブ社がおこなった「あおり運転とドライブレコーダーの使用状況に関する調査」では、運転中にイライラすることがあると答えた人のうち、47%があおり運転のような行動をとってしまった可能性がある、という結果に。

 これは運転に自信がある人ほど強い傾向だということで、運転のレベルには個人差があり、だれもが自分のように上手なわけではないとまずいい聞かせ、広い心で周囲のドライバーを見守ってあげたいところです。もし、どうしてもイライラした場合には、好きな音楽をかけて大声で歌って発散したり、アメなど甘いものを口に入れる、といったイライラを抑える自分なりの方法を持っておくといいですね。

5)心配ごとがあるとき

 続いて、1日中そのことばかり考えてしまうような心配ごとがあるとき。こういうときも安全運転に支障が出やすい状況です。注意力が散漫になり、目の前の赤信号を見落としたり、一方通行を逆走してしまったり、といったミスが増えるといいます。

 運転中に頭から離れなかった心配ごととして、家族の病気や健康問題、住宅ローンの悩み、人間関係の悩み、などが多いそうです。もし、あまりに憔悴しているなら運転を控えたり、できることなら、運転席に座ったら、一度そのことは頭から追い出す努力をして、運転に集中してほしいと思います。

6)落ち込んでいるとき

 次に、上司や先生などに叱られたり、仕事でミスをしてしまったりして落ち込んだとき。こんなときも、ボーッとして集中力が散漫になったり、安全確認が十分にできない状況になりやすく、事故を起こしやすくなってしまいます。どんなに落ち込んでいても、運転をしなければならないのなら、ひとまずエンジンをかける前に気持ちを切り替えて、立ち直る方向に向いてから走り出すようにしたいものです。

 ただ、人間ですからショックを受けた心をそう簡単に、スイッチのように数分で切り替えろといわれても、無理があるかもしれません。そんなときは、「幸せのホルモン」ともいわれ、ふさぎ込んだ気持ちや精神的なストレスを緩和してくれるといわれる、セロトニンを増幅させる働きのある食べ物・飲み物を口にしてみてはいかがでしょうか。

 アミノ酸の一種であるトリプトファンを摂取することで、体内でセロトニンを合成することができるそうです。大豆、牛乳、豚ロース、マグロ、カツオ、バナナ、ハチミツが、その代表的な食べ物。どうしようもなく落ち込んだときは、バナナを1本食べてから運転する、というのもいいですね。セロトニンは集中力や記憶力を維持するのにも役立つそうなので、普段からよく運転する人は、前述の食べ物を意識的に摂るようにするのもオススメです。

7)お腹が空いているとき

 そして最後は、空腹時。これも運転に影響を及ぼす可能性があり、気をつけたい状況です。よく、お腹がすくと不機嫌になるという人がいますが、これは特別なことではなく、だれにでも起こりうることなんだそうです。空腹時は、ストレスホルモンであるコルチゾールや、神経伝達物質のアドレナリンが分泌されやすく、その結果として「負の感情」が生まれやすいというのです。

 運転中にちょっとしたことでイラっとしたり、気持ちが落ち込んでしまったりすると、安全運転にも支障をきたす可能性大。腹八分を守りつつ、なるべく運転時にはお腹が満たされた状態の方がよさそうですね。

 というわけで、「心が乱れると、運転が荒れる」といえる理由を感じていただけたでしょうか。人間ですから失敗もするし、腹も立てるし、忙しいと食事をしっかり摂る時間もなかなか取れないかもしれませんが、できる限り心の平静を保った状態で、安全運転を心がけたいものですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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