LPGスタンド減少でタクシー業者が注目する「e-POWER」! 日産「アルメーラ」にかかる期待とは (1/2ページ)

高額なJPNタクシーを導入できない事業者も多い

 タクシー向け専用車両といえば、トヨタJPNタクシーと日産NV200タクシーがある。ただ、未確認ながらNV200タクシーが生産を終了するというウワサがある。そうなると、事実上タクシー専用車はJPNタクシーのみとなる。ただ、クラウンコンフォートに対して価格がかなりアップしたことなどで、“アンチJPNタクシー”派ともいえる事業者も目立つ。

「もともと地方の事業者のなかには、JPNタクシー以外でも、新車のタクシーは車両価格が高いので、新車での車両入れ替えができずに、中古車で入れ替えする事業者も多いのが実状なので、JPNタクシーの導入がなかなか進まない地域が目立ちます」とは業界事情通。

 ただ、デビュー当初に導入したJPNタクシーが代替えの時期を迎えようとしているので、今後は中古車としてJPNタクシーが地方部でも普及していくのではないかともされている。しかし、一般的なミニバンでもある程度乗っていると、電動スライドドアの調子が悪くなり、結構な頻度でユニット交換するケースがあると聞く。開閉頻度がハンパではないJPNタクシーを中古で購入したあと、すぐに電動スライドドアの不調が発生し、購入した事業者がユニット交換を余儀なくされるのではないかと懸念する声もある。

 2020年春からの新型コロナウイルス感染拡大以降、タクシーもその影響を受けており、ある東京隣接県のターミナル駅で聞くと、「前年比で走行距離が1万kmほど少なくなっている」との話も聞き、代替え時期を延ばす事業者も多い。それだけならまだしも、保有するタクシーの一部を休車(ナンバープレートをはずす)する動きも目立っており、スンナリJPNタクシーが全国的な普及を進めていくことができるかは不透明となっている。

 タクシー車両の規格緩和が行われて以降、さまざまな車両がタクシーとして活躍している。この動きもJPNタクシーの普及がいまひとつとなっていることを助長している。地方部ではLPガススタンドの廃業が相次ぎ、東京都内でもその傾向が目立ってきている。そのなかでタクシー車両の燃料として、あえてLPガスにはこだわらない傾向も目立ってきている。

 ガソリンハイブリッド車がその一例。地方部では年季の入った2代目プリウスタクシーなども現役で活躍している。そのようななかで注目されているのが、日産の“e-POWER”ユニットを搭載した車両。メインは先代ノートとなるが、セレナも結構な頻度で見かけるようになった。ステアリングを握るドライバーには「マイカーを運転しているみたい」とおおむね好評であり、利用客も「ひとりで乗るなら十分」となっているようだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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