後席を「どう使う」かで便利か不便かがわかれる! 超少数派ながらクルマの「観音開きドア」が存在するワケ (2/2ページ)

後席へ荷物を置くためのドアだと考えればとても便利!

 いっぽうで、MX-30のような補助的なリヤドアとして考えた場合はどうだろうか。マツダでいえばかつてRX-8があったし、トヨタFJクルーザー、bBオープンデッキ、ホンダ・エレメント、さらには輸入車として日本へ導入されたモデルでもサターンSC2、ミニ・クラブマンの先代モデルなどが採用している。

 メリットがあるかどうかの判断は、このドアを「後席乗降のため」と考えるか、それとも「後席に荷物を置くため」と考えるかで180度異なる。

 4ドアや5ドアモデルのように、後席に乗り降りするためのドアと思えば“使えないドア”だ。開口部は狭いし、なによりフロントドアを開いた状態でないとリヤドアを開けられないのは非常に都合が悪い。後席に座る人が降りようと思っても、誰かがフロントドアを開けてくれるまで自分の意志だけではリヤドアを開けられないのだ。乗り込む際も然りで、後席へ乗り込んでリヤドアを閉めた後、誰かがフロントドアを閉める必要がある。一般的な4ドアや5ドアと同じ感覚は期待できない。

 しかし、ドライバーが後席に荷物を置くためのドアと考えるとじつに都合がいい(助手席側にリヤドアを備えたサターンを除く)。なぜならフロントドアを開けたときに、サッとリヤドアも開いて後席へアクセスしやすいからだ。一般的な前ヒンジドアよりも気軽にドアを開け、後席へアクセスできる。

 というわけで結論。リヤドアを補助的な扱いとする観音開きのドアにメリットがあるかどうかは、その人がどうクルマを使うかによって判断がわかれる。一般的な4ドアや5ドアのような後席乗り降りを期待するなら実用性は低いが、後席へ荷物を置くためのドアだと考えればとても便利だ。

 比較対象を4ドアや5ドアとするか、それとも、2ドアや3ドアに比べるかで判断は真逆になる。MX-30の場合は、「5ドア」ではなく「3ドアクーペの派生モデル」として接すればリヤドアはメリットでしかない。


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