上限ナシで実質の値上げ? ETC使用時の首都高の「料金体系変更」は利用者にどう影響するのか

長距離走行が値上げされる可能性がある

 令和3年2月に国土交通省から出されたのが「首都圏の新たな高速道路料金に関する具体方針 骨子案」というもの。その題名からもわかるように、首都高およびそこに接続する道路の料金を改定しようというものだ。

 これは骨子案なので、今すぐに導入されるものではないが、料金制度が改定されるのは確実だろう。時期としては、令和4年4月からとなる。我々の財布を直撃するのが、ETC使用で導入されている距離制料金の見直しで、利用されたことがある方はわかるだろうが、一番短い(安い)区間で300円、一番遠い(高い)区間で1320円となっている。

 じつは一番遠いというのは正確ではなく、走行距離35.7kmを境にして1320円で上限となり、それ以上走っても高くなることはないようになっている。横浜から埼玉まで行くと、計算上は3000円近くになるが、実際はそうはならない。

 この打ち切り上限を、撤廃を含む見直しをおこなう。走行距離に応じた料金体系の整理・統一がさらに進められ、長距離走行が値上げされる見込みだ。

 ただしこれまでどおり、どの経路を通っても起終点の最短距離を適用。圏央道の千葉県部分が開通したことも踏まえて、圏央道や外環をさらに賢く使える料金体系が導入される。また20%の深夜割引や運送業者向けの大口・多頻度割引の拡充も行うとしている。

 いいことと悪いことを取り混ぜた現実的な改定と言えるが、今後5年間程度でETC専用化、つまり現金利用は廃止するとしているし、そもそも距離制の上限部分がどうなるかも気になるところ。

 首都圏在住ではないから関係ないと思うかもしれないが、各都市の都市高速でも同様の改定がおこなわれる可能性はあるし、深夜割引を拡充した場合の夜間の混雑増加も気になる。今後は高速道路各社の関係自治体への同意申請実施などを経て、最終的に国からの許可が出される予定なので、さらなる詳しい内容の発表には注目したい。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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