根本的な「意味」を間違えている人も! せっかくMTに乗るなら習得したい正しい「ヒール&トゥ」とは (1/2ページ)

目的はシフトダウン時の荷重変動をなくすこと

 乗用車の新車販売のAT率が99%に達した今日でも、ヒール&トゥはスポーツドライビングの代表的なテクニックだ。それゆえに、この時代にわざわざMT車に乗っているユーザーとしては、ヒール&トゥをマスターしたい、あるいは上達しておきたいところ。

 ではどうすればヒール&トゥが上手になるのか?

 その前に、そもそもなぜヒール&トゥが必要なのかをおさらいしておこう。ヒール&トゥの目的は、シフトダウン時の荷重変動をなくすこと。これに尽きる。ヒール&トゥ=減速のための操作と誤解している人もいるようだが、減速のコントロールはフットブレーキの仕事。ヒール&トゥを使っても制動距離は縮まらないし、むしろヒール&トゥが上手でない人は、ヒール&トゥを使うことでかえって制動距離が伸びていることが多い……。

 従って、正しいヒール&トゥとは

・制動距離が伸びない

・荷重変動(ピッチング)を起こさない

 というのが条件になる。

 オートバイ(スクーターを除く)に乗っていた人なら、減速しシフトダウンするときに、自然とブレーキレバーを握りながらアクセルをふかして回転を合わせ、シフトショックがでないシフトダウンをしているはずだが、ヒール&トゥはそれの四輪版だと思えばいい。

 そういう意味で、二輪の経験が豊富なドライバーなら、ヒール&トゥの上達も早いはず。そうでない人の場合は、いきなりヒール&トゥの練習をするのではなく、まずブレーキを踏まずにシフトダウンの練習だけをしてみよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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