日本はクルマに優しかった! 先進国でも大きく違う「路面」の事情 (1/2ページ)

世界各国と比較すると日本はかなり恵まれている

 日本のユーザーはあまり意識していないと思うが……。日本の道路は、世界各国と比較すると路面はとてもスムースであり、路面からタイヤを介してクルマへの悪影響はとても少ない。これにはさまざまな理由がある。

 たとえば、道路建設の工程や材料の選別が高水準で確立されていること。道路事業者や地方自治体の予算によって定期的に道路の改修工事が行われること。また、過剰な重量物を搭載するような違法な大型車両がほとんどいないため路面が傷みにくいことなどが要因である。

 そのため、タイヤの観点では、ハイパフォーマンス性の高い商品や、いわゆるエコタイヤなど、各種タイヤの商品特性を日本では走行中に実感しやすい。また、サスペンションのセッティングや、車体(プラットフォーム)の改良などクルマ本体の性能評価も、日本はやりやすい環境にある。

 そうしたなか、日本国内でも海外の路面状況を感じることができる場所がある。それは、自動車メーカーやタイヤメーカーが所有する屋外テストコースだ。こうしたテストコースには、世界各地の路面を再現しているが、なかでももっとも特長があるのがアメリカのフリーウエイを想定した路面だ。

 自動車エンジニアのなかには、コンクリート路面と称する場合があるが、確かにその表面はアスファルトの黒っぽい感じではなく、薄いグレーのコンクリートに見える。

 実際、テストコース内で通常のアスファルト路面を走行した後に、このコンクリート路面を走行すると、一気にタイヤと路面の摩擦音が大きくなる。車内で会話する声のレベルをかなり上げる必要があるほどだ。また、ステアリングやシートを通じて感じる細かい振動が増えるのもはっきり分かる。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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