日本はクルマに優しかった! 先進国でも大きく違う「路面」の事情 (2/2ページ)

州境や国境を越えた瞬間に路面が荒れていることも

 こうしたコンクリート路面の実感を踏まえて、自動車エンジニアの多くが昔から「アメリカはオールシーズンタイヤが主流なので、こうした音や振動が結局は気にならない」という声があった。

 最近では高性能化が進むオールシーズンタイヤだが、旧来モデルは通常のサマータイヤに比べて音・振動・路面からの突き上げ(N/V/H)に性能に対する考え方が違っていたように思う。

 また、欧州ではアメリカのようなコンクリート路面は少ない印象だが、それでも路面の状態は日本に比べて高くない印象がある。たとえば、ドイツのアウトバーンでも、日本ならば早期に補修されるべきと感じるような路面状況の場所もある。

 こうした路面状況は、アメリカでは州によって、また欧州では国や自治体によって、整備に関する予算の違いから、州境や国境を越えた瞬間に路面が荒れているという場合もある。

 そのほか、欧州で多い石畳の路面について、2000年代くらいまでは、日系メーカーのエンジニアが「石畳でもNVHを考慮した」という説明をすることがあったが、最近はそうした言葉をあまり聞かなくなった印象がある。

 理由として考えられるのは、日本車は全般的に新型プラットフォーム採用を基盤としたサスペンションセッティングの高度化が進み、石畳を含めたNVHが良くなったこと。また、CO2規制などの観点から、石畳が多い旧市街地への交通規制が増えていることなども要因だと思う。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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