【試乗】SUV専用低燃費タイヤは伊達じゃない! ハリアー・ハイブリッド×TOYO TIRESの組み合わせで「静粛性」「乗り心地」が圧巻のレベルに (1/2ページ)

シチュエーションを問わず静粛性が高い

 SUVが一時のブームやトレンドではなく、クルマ選びの際の中心的な位置を占める存在となってきている昨今。市場の主役となっているのは、かつて多かったM+Sのようなタイヤを履かない、オンロード性能に重きを置いたモデルだ。

 当然そうなれば、SUV用タイヤに求められる要素も変わってくる。そう、市街地や高速道路など一般道での静粛性や乗り心地を重視するユーザーが、ますます増えてきているのだ。

 ミニバン専用タイヤをはじめ、車種ごとの最適設計でお馴染みのトーヨータイヤの新作SUV専用低燃費タイヤ「PROXES CL1 SUV」は、まさにそんなユーザーをターゲットに生み出された。もっとも重視したのはまさに静粛性と乗り心地だという。ここでは、オンロード重視という最新のSUV事情をまさに牽引する存在と言っていいトヨタ・ハリアー ハイブリッドに組み合わせて、その実力を確かめてみた。

 実際にクルマに装着されたPROXES CL1 SUVは、SUV専用タイヤという響きからイメージするタフでゴツい雰囲気ではなく、非対称ブロックピッチ配列を採用した4本の太いリブが主張する洗練されたトレッドデザインが、都会派代表と言うべきハリアーによくマッチしている。こういうSUV用タイヤが欲しかったんだという人、結構多いのではないだろうか?

 走り出して、すぐに気づいたのが静粛性の高さだ。ザラザラというロードノイズ、とくに耳障りな高周波の音がうまく抑えられているのには、大いに感心させられた。じつはまさに非対称ブロックピッチ配列、そしてイン側の横方向に入れられたラテラルサイプなどが、高い静粛性のカギになっているのだ。

 今回のテストルートは舗装の良いところばかりではなく、荒れた路面にも頻繁に遭遇したのだが、そうした場面で音質、音量が急変したりすることがなかったのも好印象のポイント。路面が滑らかなところだけでなく、どんなシチュエーションでも静かなタイヤという印象が変わらないのが嬉しい。

 また、今回の試乗車のようなハイブリッド車は、エンジンを停止させて電気モーターだけで走行する場面も少なくないから、その際の静粛性は、とても気になる。そんなわけで今回は相当気にしながら試乗したのだが、結局耳障りに感じるようなことは一切なかった。これ、なかなか実現できている例は少ないのだ。

 乗り心地は、どちらかと言えば穏やか。すごくソフトという方向ではなく、程良いダンピング特性を持っていて路面からの入力をしっとり受け止めるという印象である。

 個人的にはとくに、高速道路で路面の継ぎ目を通過する時の、しなやかに入力を受け流す感覚が気に入った。しかも、これは騒音の低減にも効いている。おそらくは長距離ドライブも、快適なものになるはずだと確信した。


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