ガソリン代が「最安値」になってもEVの電気代のほうが安かった! ランニングコストを比較した驚きの結果とは (2/2ページ)

普通充電メインで運用していれば電気代のほうが安い

 あらためて普通充電で走らせている電気自動車と同等の1kmあたり2円50銭のコストとなるためのガソリン代は、20km/Lのクルマでリッター50円と計算できる。冒頭で書いたように税金だけでそれ以上がかけられているから現実的にはあり得ない数字だ。35km/Lのハイブリッドカーでもリッター70円だから、こちらも現実的ではないだろう。

 つまり、家庭などにおける普通充電メインで運用していれば、ハイブリッドカーを含めたガソリンエンジン搭載車と比べても、現在のガソリン価格ではほとんどのケースでランニングコストは安くなるのだ。

 そうはいっても、電気自動車はエンジン車よりも高価な傾向にあるため、車両価格差も含めて計算しないと意味がないという意見もあるだろう。ただ、この場合どのような基準で比較すべきか非常に難しい。異なる車格で比較するのは意味がなく、まして最安値のモデル同士で比べるのはナンセンスだ。

 さらに現時点で新車を買うとなれば、電気自動車には補助金が出る点も考慮しないとリアリティがない。実際、プジョーが「パワー・オブ・チョイス」というコンセプトで208や2008に1.2リッターターボエンジン車と電気自動車を用意しているが、補助金や免税、オイル交換などのメンテナンス費用の差も考慮すればトータルでのユーザー負担は変わらないという。

 その背景にあるのも、ここで紹介した燃費と電費のコスト差だ。

 というわけで、ここでの結論としては、電気自動車の電費は家庭などで普通充電を利用する限りにおいて、ハイブリッドを含むガソリンエンジン車の燃費より圧倒的にオトクということだけお伝えすることにしよう。

 ちなみに、筆者は3年以上前に初代リーフを中古で購入しているが、車両価格は170万円以下だった。この価格帯で手に入れることができるCセグメントと比べたときに割高という印象はなく、単純にランニングコストのぶんだけトクをしているというのが実感だ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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