MX-30・UX・アリア! 新規導入のEVが「SUVばかり」な「合理的」理由とは (2/2ページ)

4ドアセダンやハッチバックモデルも用意されている

 しかし、これから先はハッチバック車や4ドアセダン、あるいはミニバンなどMPV(マルチ・パーパス・ヴィークル)のEVも登場させなければ、あらゆる消費者を満足させることはできないだろう。

 そもそも、クルマとしては4ドアセダンやハッチバックが王道であり、米国のテスラはモデルSを早くに導入した。モデルSの前にロードスターというスポーツカーがあったが、これはロータスの車体を利用した改造EVであり、ゼロから設計をしたEVとしてはモデルSが第1弾だ。次いで、モデルXというSUVを売り出した。

 ドイツのフォルクスワーゲンは、e-up!(イー・アップ)やe-Golf(イー・ゴルフ)というハッチバックから市場導入をはじめている。そしてEV専用設計となるID.3に加え、SUVのID.4もほぼ同時に発表した。メルセデス・ベンツもSUVのEQCやEQAを導入したのに次いで、4ドアセダンのEQSを用意している。BMWは、メガシティヴィークルと銘打ち、都市で活用できるEVとしてハッチバックのi3を最初に販売した。

 フランスのプジョーは、エンジン車と共通の車体を使いながら、ハッチバックのe208と、SUVのe2008を相前後して市場導入している。

 日本でも、マツダはMX-30、レクサスはUX300eというSUVを最初のEVとしたが、日産はハッチバックのリーフ、ホンダもホンダeでの導入とした。

 単に最新ニュースを追いかけているとSUVが多いように感じるかもしれないが、各自動車メーカーとも若干の順序の違いがあったとしても、4ドアセダンやハッチバックのEVという車種構成は外していないといえる。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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