巨人トヨタがなぜ「中国メーカー」と組む? EV新シリーズ「bZ」に「BYD」が名を連ねるワケ

巨人トヨタがなぜ「中国メーカー」と組む? EV新シリーズ「bZ」に「BYD」が名を連ねるワケ

トヨタがついにEVに本気になった!?

 2021年4月に行われた上海モーターショーで、自動車メーカー各社が新型EVを披露するなか、トヨタはスバルと共同開発した四輪駆動EV「bZ4X」を発表して世界の注目を集めた。これとあわせて、グローバルで2025年までに新たなEVモデルを15車種導入し、このうち7モデルがEV新シリーズ「bZ(ビージィ)」に属することが明らかになった。

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 そのbZシリーズのパートナー企業として、スバル、ダイハツ、スズキに加えて中国企業のBYDの名前もある。BYDは、香港にほど近く中国のITベンチャーが数多い、深センに本拠地を持つ中国地場の自動車メーカーで、2000年代から中国EV市場をけん引してきた。

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 BYDとトヨタのコラボレーションが、BYDが開発するリチウムイオン二次電池を含むのかどうか、またどのような量産モデルを想定しているかなど、詳細については現時点で公表されていない。

 ただし、トヨタとBYDの関係が明らかになったのは今回が初めてではなく、さらに言えば、他の中国地場系の電池メーカーとトヨタは関係を深めていることが知られている。

 トヨタは2019年6月、「EVの普及を目指して」と題する記者会見を行っている。そのなかで、2017年に公表した2025~2030年に向けたトヨタ電動化戦略について「電動化について世の中の流れが急速に変化しており、それに対応するため(2017年発表計画を)5年前倒しとする」という見解を示している。

 中国市場について「2020年より中国を皮切りに自車開発EVを導入」も発表しており、それが2019年4月の上海モーターショーで公開した「C-HR EV」などだった。その上で、「中国、アメリカ、欧州などでさまざまなタイプのEVを効率的に開発し、高性能で劣化しにくい電池を世界の電池メーカーと協業して供給体制を整備する」としている。

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 具体的には、プリウスやアクアなどでパナソニックと長年に渡り協業しているプライムアースEVエナジーに加え、日本のGSユアサ、東芝、トヨタ自動織機、そして中国のBYDとCATLとの連携が公表されている。

 2021年上旬時点でグローバルのEV市場を見れば、販売台数では半数以上が中国市場に依存している状況だ。そのなかで、CATLの躍進は急激で一時のBYDの勢いを凌いでる印象がある。トヨタ以外にも日産とホンダもCATLから中国市場向け電動車用リチウムイオン二次電池の供給を受けることを明らかにしている。

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 日本人のなかには、中国自動車産業界の技術力について、そのクオリティについて疑問を持っている人がいるかもしれない。だが、中国地場の大手メーカーや、大手部品メーカーの開発能力や生産体制はグローバル市場で十分な競争力を持つレベルに達している場合が多い。

 とくにEVについては、中国内での普及台数の多いことから、協業する日系メーカーと共にトライ&エラーを繰り返すことで、中国製品の技術に対する信頼度が上がっている。トヨタとしても、CATLやBYDとの技術的な連携をさらに強める方向になるだろう。

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