EVは自動車の先祖返りだった! ガソリンエンジン車よりもずっと前に開発されていた衝撃 (1/2ページ)

最初の電気自動車は1830年代に発明されていた

 4ストロークのエンジンが、ドイツのアウグスト・オットーによって発明されたのは、1876年のことだ。それに対し、電動のモーターが発明されたのは、1832年に英国のウィリアム・スタージャンによるといわれている。自動車用原動機のもとになるエンジンとモーターの発明には、40年以上の開きがある。

 そして最初の電気自動車は、スコットランドで1830年代に発明されたという。ガソリンエンジン自動車をドイツのカール・ベンツが発明したのが1886年だから、40~50年は先に電気自動車が誕生していたと考えられる。

 なぜ、電気自動車のほうが先に生まれたのか。理由は、電気を流せばモーターは回転力を生むが、エンジンは、燃料を気化させて空気とほどよく混ぜあわせ、燃えやすい状態になったところで着火する必要がある。ところが、発明当時は燃料と空気をほどよく混ぜる気化器、すなわちキャブレターがまだ発明されていなかったので、ベンツの製作したパテント・モトール・ヴァーゲンは、ガソリン(当時は薬局で売られていたベンジン)が自然に蒸発し、空気とほどよく混ざるのに任せていたのである。したがって、速度は時速15kmほどしか出ず、加減速も自在ではなかった。

 その間に、電気自動車は次第に性能を上げていき、時速100kmを先に達成したのも電気自動車だった。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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