競合だらけのなかで目標の6倍を受注した新型ヴェゼル! 鍵は「使い勝手」にあった (1/2ページ)

SUVの価値を踏まえたクルマづくりを行ったことで人気を得た

 コンパクトSUVのホンダ・ヴェゼルは、2021年4月23日に発売され、5月24日には3万2000台を受注したと発表された。高人気の背景には複数の理由がある。

 まずはヴェゼルの商品力だ。今はSUVが人気のカテゴリーになり、なおかつクルマの価格が全般的に高まった影響もあって、コンパクトな車種も好調に売られている。ヴェゼルのようなコンパクトなSUVは、売れ筋の要素を2つ備えるわけだ。

 ただしコンパクトなSUVには競争相手も多い。トヨタはヤリスクロスとライズ、日産はキックス、マツダはCX-30やCX-3をそろえる。

 競争相手の多い中でヴェゼルが好調に売れる理由は、これらのコンパクトSUVの中で、後席の居住性と荷室の使い勝手がもっとも優れているからだ。ヤリスクロスやCX-3をファミリーで使おうとすれば、後席と荷室が狭いが、ヴェセルなら十分に満足できる。

 この優れた実用性は、SUVというカテゴリーの魅力とも合致する。SUVが高い人気を得た理由も、外観のカッコ良さと、居住性や積載性の両立にあるからだ。つまりヴェゼルは、SUVの価値を踏まえたクルマづくりをすることで人気車になった。

 そしてヴェゼルの優れた実用性は、燃料タンクを前席の下に搭載するホンダ独自のプラットフォームで実現され、2013年に発売した先代(初代)モデルも同じ特徴を備えていた。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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